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肢体
「肢体〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
肢体の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
の裸女は、年の頃は十七、八歳でもあろうか。牛乳を固めたような真白な艶のある美しい
肢体をもっていた。ことに人目をひくのは、その愛くるしい顔だった。世界中探しても二....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
の下は急に細くなって高麗人参の根をもっと色を赤くし、そしてぐにゃぐにゃしたような
肢体を持っている怪物が四つ五つ、身体を重ねるようにして立って、こっちを向いていた....
「宇宙女囚第一号」より 著者:海野十三
、呼びようがないであろう。 まだもう一つ気のついたことがある。 それは真白な
肢体の膚に、点々として小さい斑点がついていることだ。そういうとそばかすみたいに聞....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
われた。胸の皮膚は擽られ、肉はしまり、血は心臓から早く強く押出された。胸から下の
肢体は感触を失ったかと思うほどこわばって、その存在を思う事にすら、消え入るばかり....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
ら、懊しい年盛りの女の香気がムンムンと立ちのぼってくるような気がした。その妖艶な
肢体を望んでいると、僕はなぜかこの女を犬のように心安く扱う「深夜の市長」のことが....
「階段」より 著者:海野十三
僕の身体には飢えた「彼奴」が跳梁することが感ぜられ、それとともに、あの若き婦人の
肢体が網膜の奥に灼きつけられたようにいつまでも消えなかった。 2 翌....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
れた瞬間、私の眼底には、どういうものか、あのムチムチとした蠱惑にみちたチェリーの
肢体が、ありありと浮び上ったことだった。....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
豊潤な酒のような歌声が響いてくるのであった。――ジュリアは確かにいた。同じような
肢体をもったダンシング・チームの中央で一緒に急調なステップを踏んでいた。 「幕を....
「海底大陸」より 著者:海野十三
ちがった形体をもっているのであろうか。われわれとちがって、むしろ軟体動物にちかい
肢体をもっているのはなぜか」 海底超人の軟体については、かれら生物学者は、一刻....
「食魔」より 著者:岡本かの子
はその姿でベッドの上で※き苦しむ。全身に水を浴びたよう脂汗をにじみ出し長身の細い
肢体を捩らし擦り合せ、甲斐ない痛みを扱き取ろうとするさまは、蛇が難産をしていると....
「金属人間」より 著者:海野十三
前に警視庁の死体置場から、国会議事堂の上からころがり落ちた動くマネキン少年人形の
肢体《したい》とともに、おなじ夜に紛失《ふんしつ》した猿田の死体の顔とおなじであ....
「大脳手術」より 著者:海野十三
外科手術が進歩した現代かは知らぬが、マネキン人形を接ぐわけじゃあるまいし、生きた
肢体の接合をするんだから、相当むずかしい筈だ。例えば、血管と血管との連結はどうす....
「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
で研究室にいた。彼女はその日、なんとはなく疲れを覚えるので、長椅子の上に豊満なる
肢体をのせて、ジッと目をとじていた。前にはよくこうして睡眠をとったものである。夫....
「花束の虫」より 著者:大阪圭吉
ては面目ない。先生の先刻の、あの意味ありげな微笑は、確に自分の援助を求めた無言の
肢体信号なのだ――。 やっと茲迄考えついた秋田は、ふと気付くと、もうどうやら隣....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ように優しい手、それらは彼女がすべての美をあらわして、その寝すがたは彼女の完全な
肢体のくつろぎを見せていた。 コスモは飽きるほどそれを見つめていた。のちにはこ....