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肥える
「肥える〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
肥えるの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「電報」より 著者:黒島伝治
叔父は念をおした。そして、立って豚小屋を見に行った。 「この牝《めす》はずか/\
肥えるじゃないかいや。」 親豚は、一カ月程前に売って、仔豚のつがいだけ飼ってい....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
に召さなくて、あっしのいうことばかりはお取り上げくださらねえんですかい。天高く馬
肥えるってえいうくれえのものじゃござんせんか。人間だっても、こくをとってみっちり....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
養にと寄進者の御越しを待ったのじゃ。慌てるばかりが能ではなかろうぞ。もそッと目の
肥えるよう八ツ目鰻なとうんとたべい」 「申したなッ。ならばなにゆえ胡散げに市中を....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
本で面白い人だけれど、案外貴女の生一本は内べんけいじゃなかったの、色んな事に目が
肥えるまでは用心はした方がいいと思ってよ。」
彼女は薄っすらと涙を浮べて、まぶ....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
豪や大政治家は決して少なくないようだ。所有さえすれば自分の所有物に関係ある眼識が
肥えるのは当然なので、こうした稀少品所有者の内には素人抜けのした知識と見識とを有....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ようなものを見尽してしまうと、彼の天性の迅足の髀肉《ひにく》が、徒《いたず》らに
肥えるよりほかはせん術《すべ》がなき姿です。 でも、その数日の間に、駒井の船が....
「胚胎」より 著者:宮本百合子
での。 修道院に若くて美くしい尼御前の大勢になるのもこの時でお寺の墓掘りの懐の
肥えるのもその時でござりますじゃ。 尊い御仁のけんかほど、大きい地面がゆるぎま....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
込みをなさろうとなさるので、ようやくここまでお連れした次第。……敵の兵糧で味方が
肥える。さあさああいつらの『ままごと』の中の、ご馳走で我々飲食しましょう。……ソ....
「香魚の讃」より 著者:佐藤垢石
をシンボライズしているのではあるまいか。 その食感を想えば、我が肉虜ひとりでに
肥えるを覚えるのである。 激湍に釣ろう。そして、夕食の膳に一献を過ごそうではないか。....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
リゲはまた蕎麦粉であった。この地方に行わるる茶揉み唄に、 志摩のあねらは何|食て
肥える 蕎麦のねりげに塩辛添へて うまい/\といふて
肥える と歌ったのは、もとよ....
「味覚の美と芸術の美」より 著者:北大路魯山人
て来た。しかるに、初めはいろいろ外国のものなどに魅惑されるのであるが、やがて眼が
肥えるに従い、次第に日本のものがよいということが分って来る。これは書にせよ、絵に....