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肥す
「肥す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
肥すの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「米」より 著者:犬田卯
るここの泥土は、自然に多くの肥料分を含み、これさえ上げれば大してその部分だけは施
肥する必要がなかったばかりか、その上、水田そのものが年一年と高くなって、いくらか....
「道なき道」より 著者:織田作之助
の言いなりになり、誇張していえば、餌食になっていた。音楽家はそれらの人々の私腹を
肥すことに努力することによって、辛うじて演奏にありついて来たのである。 ところ....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
がその役を持って居る間は寺で出来得るだけ賄賂を貪り、他の僧侶を虐げて自分の一家を
肥すことを力めて居るのです。あたかも仏の寺の中で大強盗、大悪魔が横行|跋扈して居....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
下に天下の田園を壟断して、国政を顧みず、上に見習う地方官は誅求を事として、私腹を
肥すことのみに汲々とし、下積みになった平民は口分田の班給にもあずかることをえず、....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
。それは、一切のものはことごとく彼の路を歩まねばならぬ――彼自身の権力と財嚢とを
肥す方へ行かねばならぬ、というのであった。総体から見たものと箇々のものとを含めて....
「関牧塲創業記事」より 著者:関寛
からざるも、責めては資金を希望地に費消し、一身たるや骨肉を以て草木を養い、牛馬を
肥すを方針とするのみ。成ると成らざるとは、只天命に在ると信ずるのみ。故に徳島を発....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
らし、いずれにしても土の肥料にしてしまう。馴付けた敵は、味方である。「年々や桜を
肥す花の塵」美しい花が落ちて親木の肥料になるのみならず、邪魔の醜草がまた死んで土....
「新西遊記」より 著者:久生十蘭
んの権力も与えられていないので、自分たちでいい加減な政治をとり、思う存分に私腹を
肥すことができるからである。その連中のねがいは、法皇が永久に五歳のままでいるか、....
「墓」より 著者:正岡子規
るとこの窃盗罪の内に多少の正理が包まれて居ない事もない。墓場の鴉《からす》の腸を
肥すほどの物があるなら墓場の近辺の貧民を賑《にぎ》わしてやるが善いじャないか。貧....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
が占有されてしまった国においては、農業者が数年間有利な収穫を期待し得ない土地に施
肥するのを奨励するためには、多額のものを提供しなければならない。そしてこの種の農....
「貧しき人々の群」より 著者:宮本百合子
である。 うざうざいる子供等は、だんだん衰えて来る親達に代って、地主共の食膳を
肥すべく育っているようなものである。 そのような様子なので、少し普通でない性格....