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肥ゆ
「肥ゆ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
肥ゆの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「神社合祀に関する意見」より 著者:南方熊楠
まり、大水風害年々聞いて常事となすに至り、人民多くは淳樸の風を失い、少数人の懐が
肥ゆるほど村落は日に凋落し行くこそ無残なれ。 これより予は一汎に著《あら》われ....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
書くを見れば、これは纐纈城なり、これへ来たる人には、まづ物云はぬ薬を喰はせて次に
肥ゆる薬を喰はす。さて其後高き所に釣り下げて所々を刺し切りて、血を出して、その血....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
、『礼記』に〈宋廟を祭るの礼、鶏は翰音《かんおん》という〉、註に〈翰は長なり、鶏
肥ゆればすなわち鳴声長きなり〉とありて、すべて他の諸鳥より鳴声長く続き、長く続く....
「『静かなる愛』と『諸国の天女』」より 著者:宮本百合子
鱗」も、北国の五月、にしんの月の五月、まずしき生活の子供たちが生命のかぎり食べて
肥ゆるなつかしき五月を溌剌とうたっている。暖くきらめく作者の感動は、「冷雨」にお....
「雪代山女魚」より 著者:佐藤垢石
のである。その濃淡な味感を想うとき、嗜欲の情そぞろに起こって、我が肉虜おのずから
肥ゆるを覚えるのである。けれど、この清冷肌に徹する流水に泳ぐ山女魚の鮮脂を賞喫す....
「樹氷」より 著者:三好十郎
風ふけて 陣雲くらし五丈原 零露《れいろ》の文《あや》はしげくして 草枯れ 馬は
肥ゆれども…… (「零露の文は」の所からオフになって) 敦子 (中年)その時の....