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肥大
「肥大〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
肥大の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
窓帷《カアテン》と、そうしてその間に居睡《いねむ》りをしている、山のような白頭の
肥大漢と、――ああその堂々たる相貌に、南洲先生の風骨を認めたのは果して自分の見ち....
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
――されど、自然は余の触手をまたず、幹枝に大腹水症を発せしめたり。六尺余りに
肥大せる腹を抱えて、全身は枯痩し、宛然草紙にある餓鬼の姿よりなき幹枝を見れば、あ....
「豚群」より 著者:黒島伝治
った。 宇一の家には、麦が穂をはらんで伸びている自分の田畑があった。また、よく
肥大した種のいゝ豚を二十頭ばかり持っていた。豚を放てば自分の畠を荒される患《うれ....
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
って大いから、手足も腹もぬっと露出て、ちゃんちゃんを被ったように見える、逞ましい
肥大漢の柄に似合わず、おだやかな、柔和な声して、 「何か、おとしものでもなされた....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
「それが特異体質なんです」と法水は昂然と云い放った。「恐らくその中には、心筋質
肥大のようなものや、あるいは、硬脳膜矢状縫合癒合がないとも限りません。けれども、....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
公が偉い? ほほう、それはどうしてだな?」 こう云ったのは蔵人で、赫ら顔で長身
肥大、雪のように純白な手術衣を纏い、半白の長髪を肩へ垂れた、その風采は神々しかっ....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
出ているように感じられた。 それは無数の小さいものを犠牲にして、大きい奴だけが
肥大して行くことだ。親爺は昔、学校の建築費を、町の芸妓へ注ぎこんだ村会議員をあば....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
の油灯とは異うらしい。待つ間ほどなく現われたのは、剃り立ての坊主頭の被布を纏った
肥大漢で、年は五十を過ぎているらしく、銅色をした大きな顔は膏切ってテカテカ光って....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
は言いも完らぬうちに足をもちゃげて馳け出した。追っ馳けて来たのは、一つのすこぶる
肥大の黒狗で、これはいつも表門の番をしているのだが、なぜかしらんきょうは裏門に来....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
した巨大な鏡が、部屋の正面の壁にあり、蝋燭の立ててある台の側に、長髪、碧眼、長身
肥大、袍をまとった紅毛人が、椅子に腰かけて読書をしてい、それらの物の以外には、ほ....
「加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
「ジョンはどうした。見えないではないか」 こういう声が聞こえたかと思うと、長身
肥大の立派な紳士が、片手に銃を持ちながらつと戸外へ現われた。 「ジョン! ジョン....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
!」と…… しかし、女はもう二度とは、振り返ろうとはしなかった。支那服を纒った
肥大漢の、しかも老人に寄り添ったまま、その老人に手を引かれ、悠々と歩いて行くので....
「妖怪報告」より 著者:井上円了
したるときは、骨を傷つき、もしくは楚撻に遭うと夢み、消化せざる食餌をなすときは、
肥大なる黒熊来たり、わが胸膈に当たりて、泰然として座したりと夢みたりと。また、ソ....
「迷信解」より 著者:井上円了
の駱駝と思い、争って木戸銭を払いてその内に入れば、獣類の駱駝にあらずして、一人の
肥大の男が、炎天焼くがごとき気候なれば、高き所へ裸体となりて手に団扇を握り、これ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
を兼設せるもののごとし。ここに無数の牛・羊・馬を畜養するうち、牛種最も多く、その
肥大なること実に驚くべきものあり。馬にいたりても一頭数万円を価するものを有す。こ....