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肩す
「肩す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
肩すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼は昔の彼ならず」より 著者:太宰治
だったかしら。」 この手だ。こんな調子にまたうかうか乗せられたなら、前のように
肩すかしを食わされるのである。そう気づいたゆえ、僕は意地悪くかかって、それにとり....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
とずっと若い、十二、三の子どもものじゃよ」 「ちぇッ」 みごとにまた右門得意の
肩すかしに出会って、伝六はちぇッと舌を鳴らしながらそっぽを向きましたが、反対に右....
「光の中に」より 著者:金史良
待し、そして同じ郷国から出て来た者として義憤の悦びに酔いたかった。だが私は見事に
肩すかしを食わされたではないか。 「先生」 「え」 「妾、お願いすることがありま....
「流線間諜」より 著者:海野十三
く知っているじゃないか」 と、帆村は肝腎のところで相手の激しい詰問に対し、軽く
肩すかしを喰わせた。 「嘲弄する気かネ。では已むを得ん。さあ天帝に祈りをあげろ」....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
喚いて行く。 消入りそうなを、背を抱いて引留めないばかりに、ひしと寄った。我が
肩するる婦の髪に、櫛もささない前髪に、上手がさして飾ったように、松葉が一葉、青々....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
号す――北畠親房その子|顕家、顕信、顕能の三子と共に南朝無二の忠臣、楠公父子と比
肩すべきもの、神皇正統記を著わして皇国の正統をあきらかにす」 「北畠親房を知って....
「書かれざる作品」より 著者:豊島与志雄
生きた一つの個体なのである。先ず、進水式があげられて、彼女は海に浮ぶ。当時他に比
肩するもののない美丈夫なのだ。日本の近海を誇らかに漫歩する。そのうちに日露戦争と....
「青春論」より 著者:坂口安吾
う毒々しいまでに驚くべき闘志をもった男である。碁打の方には、この闘志の片鱗だに比
肩すべき人がない。相撲取にも全然おらぬ。 けれども、木村名人も、もう何度負けた....
「日映の思い出」より 著者:坂口安吾
とに就ては私は知らないが、映画芸術に対する認識、識見は、先ず日本映画界では他に比
肩する社長とか重役はなかったと思う。 私が嘱託になったのは二巻ぐらいの純粋な芸....
「レーリー卿(Lord Rayleigh)」より 著者:寺田寅彦
チュアー』誌上にこの書の紹介を書き、この書は正にタムソン―テートの『物理学』に比
肩すべき名著であると云った。タムソン―テートの書物が遂に完結せずに了った一つの理....
「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」より 著者:寺田寅彦
い。自分が他の種々の点で優れたと思う画家の中でも色彩の独創的な事において同君と比
肩すべき人を物色するのは甚だ困難である。 津田君の絵についてもう一つの特徴と思....
「桜花を詠める句」より 著者:杉田久女
、兎に角桜花のらん漫たる感じは、桃山芸術を生み出した豊太閤の豪華な印象より他に比
肩すべきものはない。大時代な句として面白くも覚える。一方、烈しい風雨にもまれてま....
「越後の闘牛」より 著者:佐藤垢石
たっていない。押してくる孫七牛の角を、杢平牛は、するりとはずした。角力のいわゆる
肩すかしだ。 相手の角をはずして置いて、杢平牛は相手と頭を揃えて、平行した。つ....
「熊狩名人」より 著者:佐藤垢石
てしまいます。私は突嗟の間に、一歩身をかわしました。私に身をかわされたので、熊は
肩すかしでも喰ったように、僅かに前脚の掌が私の腕の筒袖に触れただけで、前の方へ突....
「西航日録」より 著者:井上円了
すでに十万口以上の住民あり。今より数年を出でずして、必ずサンフランシスコに対立比
肩すべし。日本人のここにありて労役をとるもの、一千人以上に及ぶという。 当港滞....