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肩を並べる
「肩を並べる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
肩を並べるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
渡海《とかい》を渡世にしていても、北条屋は到底《とうてい》角倉《かどくら》などと
肩を並べる事は出来ますまい。しかしとにかく沙室《しゃむろ》や呂宋《るそん》へ、船....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
の方が、為に窮屈を感ずるので。 その癖、先生には、かえって、遠慮の無い様子で、
肩を並べるようにして支膝で坐りながら、火鉢の灰をならして、手でその縁をスッと扱く....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
なくついて行く。やがて原の中央の古井戸に近づくと、支倉は態と足を遅らして、少女と
肩を並べるなり、あっと云う間もなく彼女に飛びかゝって、かねて用意の手拭で絞め殺し....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
の健脚は、今はもうスジ金入りでした。 「もし、お女中!」 すいすいと追いついて
肩を並べると、ギロリ、目を光らしながら先ずその面を見すくめました。然るに、これが....
「黒髪」より 著者:近松秋江
に遅く外を歩いていて少しも寒くなく、何とも言えない好い心地の夜である。私は母親と
肩を並べるように懐かしく傍に寄り添いながら、 「おかあはん、ほんとうにお久しぶり....
「俳諧の本質的概論」より 著者:寺田寅彦
ーテを研究したように、芭蕉その他の哲人を研究しなければ、日本人はやはりドイツ人と
肩を並べる資格をもたないであろう。 (昭和七年十一月、俳句講座)....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
がありました。梅が好きで、梅を描くことにかけては、その頃の画家に誰ひとりこの人に
肩を並べるものがありませんでした。 あるとき、童二如が自分の書斎の壁に梅を描き....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
に置かれたのに無理もない。大学に社会的権威のあった昔は、大学教授や博士は、大臣と
肩を並べる程偉かったから、知識と見識に於て優れた一流の新聞記者でさえ、最高学府の....
「「草野心平詩集」解説」より 著者:豊島与志雄
のものだ。よそから、持って来られたものではない。蛙自体が成長して、やがて、人間と
肩を並べる。蛙の本質的脱皮だ。蛙はあくまでも蛙だが、もはや昔日の蛙ではない。そこ....
「耳無芳一の話」より 著者:小泉八雲
た。 その女はこう云った―― 『私共は貴方が琵琶の名人であって、また謡う方でも
肩を並べるもののない事は聞き及んでいた事では御座いますが、貴方が今晩御聴かせ下す....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
れたと見えて、泣き顔を袖で蔽うようにしながら、いわれるままに立ち上がって、鈴江と
肩を並べるようにした。
二人の娘の並んだ姿は、好もしい一幅の絵のようであった。....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
てわずかばかりの額ではないので、毎々|借越にのみなるのであったが、暖簾名の婦人と
肩を並べるほど売れるので、内証で悪い顔もしないで無心に応じてはいたけれども、応ず....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
ず春のようである。日々新しく月ごとに盛んに文化の繁栄をなし、天下のいかなる首都も
肩を並べることはできない。) 別に五絶一首および和歌一首あり。 車塵遮烟。 (....
「はつ恋」より 著者:神西清
たが、急に踵でくるりと回ると、とって返して行った。そして、垣根越しにジナイーダと
肩を並べる辺まで行くと、父は丁寧に彼女に会釈をした。彼女も会釈を返したが、幾分び....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
それだけの修行をしているものが何人ござんす? ――旧派さんのなかにだってほんとに
肩を並べることの出来る人たちは十人とはいないだろうとあたくしは思います。」 「そ....