肩上[語句情報] » 肩上

「肩上〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

肩上の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
早春」より 著者:芥川竜之介
ョン――それ等はいずれも気の弱い彼等に当惑《とうわく》を与えるばかりだった。殊に肩上《かたあ》げをおろしたばかりの三重子は当惑以上に思ったかも知れない。彼等は無....
明暗」より 著者:夏目漱石
《むれ》から遠ざけた。津田はつねに疑った。――この人が通常の着物を着る時に、まだ肩上《かたあげ》を付けているだろうか、または除《と》っているだろうか。彼はいつか....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
い方かも知れません。先生もつらかったでしょう。然し夫人、悲痛の重荷は偏にあなたの肩上に落ちました。あなたの経歴された処は、思うも恐ろしい。長い長い生涯の間、先生....
新版 放浪記」より 著者:林芙美子
ような少女の日を思い出させた。 「君はいくつですか?」 「二十一です。」 「もう肩上げをおろした方がいいな。」 私は顔が熱くなっていた。三十五円毎月つづくとい....
魚の序文」より 著者:林芙美子
《き》いてみて愕《おどろ》いた事であったが、二十三|歳《さい》だと云うのに、まだ肩上《かたあ》げをした長閑《のどか》なところがあった。 ――その頃《ころ》、僕....
縷紅新草」より 著者:泉鏡花
……」 唯今、午後二時半ごろ。 「私が持ちましょう、磴に打撞りますわ。」 一肩上に立った、その肩も裳も、嫋な三十ばかりの女房が、白い手を差向けた。 お米と....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
赤い巾《きれ》をかけた小さな屋台店がならんだ。こんどはお其があたしの後について、肩上げをつまんで離れずにいた。祖母や女中が目を離すと、コチョコチョと人ごみにまぎ....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
はその近くだった。はじめは何処《どこ》のお子さんと訊《き》いたりして、姉妹で私の肩上げをつまんだり袂《たもと》の振りを揃えて見たりしていたが、段々に馴染《なじ》....
丹下左膳」より 著者:林不忘
りりとした、絵のような鳥追い姿。 チョビ安の女装したお安ちゃんは、見ものです。肩上げをした袂の長い、派手な女の子の姿。小さな笠を眼深にかぶって、厚く白粉《おし....
田沢稲船」より 著者:長谷川時雨
娘というのではないが、錦子はシックリした肉附きだ。丸い肩の上に、五分ほどつまんだ肩上げが、地方から出て来た娘々して、何処か鄙《ひな》びているのを、美妙は、掘りた....
死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
と降りた。 やれ嬉しやと思う間もなく、パッと上から罠が落ちた。左脇の下から右の肩上に掛ったと思うと、キュッと締められた。と早や一気に釣上げられた。身は宙にぶら....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
はかなりこたえました。 谷中へ越した時は、もはや娘は十四、五歳で、師匠は、まだ肩上げも取れぬけれども、絵の技倆は技倆だからといって許をくれました。当人は好きな....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
とすべきは、市外の農民はケットの中央に長さ一尺くらいの口を開き、ここに頭を入れて肩上をおおい、雨または塵を防ぐの具となす。その名をポンチョという。また、乗馬のア....
せいばい」より 著者:服部之総
打ち、左右にひきわかれ、進みながらたがいに三槍ずつ合わせて六槍、いずれも脇腹から肩上に穂先が出るほど突きあげ、さいごに一人の槍でのどぼとけをかきとって、終るので....
それから」より 著者:夏目漱石
卒業したばかりで、年は慥《たしか》十八とか云う話であったが、派手な半襟を掛けて、肩上をしていた。そうして程なくある女学校へ通い始めた。 菅沼の家は谷中《やなか....