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「肩代り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

肩代りの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大菩薩峠」より 著者:中里介山
いが、たしかに自分のあえぎあえぎ背負って来た重荷を、一時《いっとき》なりとも人に肩代りをしてもらう心安さを、喜ばずにはおられなかったらしい。 スフィンクス建設....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
常見廻役の会所になっていて、ここで落合ってから、東の奉行は西へ、西の奉行は東へ、肩代りをして一巡した後にお役目が済んで、おのおのの塒《ねぐら》へ帰る順序ですから....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
って来ましたけれど、もう意地にも我慢にも持ちきれませんから、ここいらで、あなたに肩代りをしていただきたいと思います」 「何だ、それは」 「まあ、お坐り下さいまし....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
の埋合せをしているのである。つまり損して売るということは、結局その欠損を他の客へ肩代りさせているものである。 かくの如き営業振りは、大道商人と何ら選ぶところが....
桜の園」より 著者:神西清
さんから伯父さんへ、委任状が来ましたのよ――おばあさんの名義で買い戻して、借金は肩代りにするようにって。アーニャのために計らってくだすったんですわ。だからわたし....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
たんまりくださるとよ……早乗りだ」 「おう、合ッ点だ」 一人が綱を曳き、三人の肩代り。後棒へまた二人取りついて、 「アリャアリャ」 一団の黒雲になって飛ばし....
今昔茶話」より 著者:国枝史郎
ツのためにあぶなくなったところから、 「わしらの方はもうアカン、そこで亜米利加へ肩代りじゃ」 と、どうやら冷淡の素振りを見せはじめた。 後詰めの兵を、そろそ....
鴻ノ巣女房」より 著者:矢田津世子
小間物の行商もとかく怠けがちだったが、そのうちどこで仕入れるのか信州綿というのに肩代りした。こんどの行商は気骨が折れる、一軒一軒で口上だからと、捨吉は不機嫌だっ....
廃墟(一幕)」より 著者:三好十郎
そんなら黙っていないで、当方の事情を訴えて、せめて引揚者の当座の生活資金だけでも肩代りをして支払えるような許可を受けてくれと言っても、駄目。卑屈になり切って、言....
好日」より 著者:三好十郎
書き換えろと言っているんだ。それが、いやなら、君の方の、この家に対する債権を僕が肩代りをしてこの家の処分は私の方でしようじゃないかと言っても、ウンと言わん。あれ....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
やがてであった。 しっかりした道中|駕三|挺に背丈のそろった駕かき、別に、肩代りが二人ついて、こなたへさしてくるのが見えた。 禅定寺の門前にかかると、ぴ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
まま辷る。 まして輿を担う輿丁たちの足もとは容易でなかった。半里か一里ごとには肩代りしてゆくのだが、道はぬかるむばかりだし、山雨は輿の御簾を打ッて、帝のお膝の....