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肩息
「肩息〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
肩息の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
にらんだずぼしは、まちがいもなく的中したのです。 「偉い! さすがに目が高い!」
肩息で駆けかえりながら、汗もふかずに、まず伝六がずぼしの的中を証拠だてたので、右....
「名人長二」より 著者:三遊亭円朝
に、刄物は長二の手に残り、お柳に領を引かるゝまゝ将棋倒しにお柳と共に転んだのを、
肩息ながら幸兵衛は長二がお柳を組伏せて殺すのであろうと思いましたから、這寄って長....
「映画雑感(Ⅲ)」より 著者:寺田寅彦
と後ろへ飛びしざってまたにらみ合う。にらみ合うだけでだんだん呼吸がせわしくなって
肩息になるのだという。聞いただけでもすごくなる。 この種の映画でよくある場面は....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
ら、お國は側へ駈付けて、 國「源さま、貴方にお怪我はございませんか」 源次郎は
肩息をつきフウ/\とばかりで返事も致しません。 國「あなた黙っていては分りません....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
おちおち心持好く寐て、どうせ助らないものを、せめてそれを思い出にして死にたいと。
肩息で貴方ね、口癖のように申すんですよ、どうぞまあそれだけでも協えてやりたいと、....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
れる拍子にベタリとその場へ膝をついた件《くだん》の男……つづみの与吉はだらしなく
肩息のありさまだった。
むりもない。
ゆうべ夜中に二本松で泰軒先生に置いてけ....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
所わかりましょうよ。……拙者いつでも討たれて進ぜる」 それから、足もとに、今は
肩息になっているお浦を見下ろしたが、 「不幸な女」と呟いた。「不幸にしたのは私じ....
「肌色の月」より 著者:久生十蘭
でもいうような、一種、非現実的なようすをしていた。 「う、う、う……」 大池は
肩息をつきながら、家宅捜索でめちゃめちゃにひっくりかえされた広間の中を見まわし、....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
が、細目に戸をあけてのぞくと、そこを外から引きあけて、ころげ込んで来た女がある。
肩息で頭髪《かみ》を振り乱し、遠くを駈けて来たものらしく、はいると同時にべたりと....