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肩揚げ
「肩揚げ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
肩揚げの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
気を浮き立たせることもあるが、ことし十八とはいうものの、小柄で内端《うちわ》で、
肩揚げを取って去年元服したのが何だか不似合いのようにも見えるほどな、まだ子供らし....
「心中浪華の春雨」より 著者:岡本綺堂
よ親方夫婦の不憫を増して、兄弟子《あにでし》にも朋輩《ほうばい》にも憎まれずに、
肩揚げの取れるまで無事に勤めていた。腕はにぶくもなかった。普通の丁稚とは違うもの....
「ゆず湯」より 著者:岡本綺堂
わって離れなかった。殊にきょうの柚湯については一つの思い出があった。 わたしは
肩揚げが取れてから下町《したまち》へ出ていて、山の手の実家へは七、八年帰らなかっ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
は無事に家に残っていた。しかも彼は姉や兄たちの孝行を一人で引き受けたかのように、
肩揚げのおりないうちからよく働いて、年を老った母を大切にした。 「あんな孝行息子....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
は自分のあとを嗣がせるつもりで、子供のときから一生懸命に長唄を仕込んだが、お俊は
肩揚げの下りないうちから男狂いをはじめて、母をさんざん泣かせた挙句に、深川の実家....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
貌も好し、見たところは如何にもしとやかな女ですが、どういうものか手癖が悪くって、
肩揚げの取れない頃から万引きなどを働いていたんですが、見掛けがおとなしいから誰も....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
らしく半七の顔をみつめた。 「息子さんは無いのかね」 「息子はございますが、まだ
肩揚げが取れませんので……」 「娘さんは幾人いるね」 「二人でございます」 「い....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
も、今のおかんという女なんぞは、そこに自然と憐れみも出ますけれど、なかには、まだ
肩揚げもおりない癖に、ずいぶん生けっ太い奴がありますからね。まあ、お聴きなさい、....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
屋の定吉の姉娘であった。父の定吉も妹娘のお住も正直者であるのに引き換えて、お歌は
肩揚げのおりないうちから親のもとを飛び出して、武州、上州、上総、下総の近国を流れ....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
わって離れなかった。殊にきょうの柚湯については一つの思い出があった。 わたしは
肩揚げが取れてから下町へ出ていて、山の手の実家へは七、八年帰らなかった。それが或....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
の簪を前のめりに挿して、それは人柄な、目の涼しい、眉の優しい、口許の柔順な、まだ
肩揚げをした、十六七の娘が、一人入っていたろう。……出来るだけおつくりをしたろう....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
此の部分だけを偏執狂のように読み返えし読み返すのをやめなかった。おみちに実家から
肩揚げのついた着物を取寄させてしじゅう着させたものだった。東京の下町の稲荷祭にあ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
不孝者で、若い時には阿母をさんざん泣かせましたよ」 それが半七の懺悔であった。
肩揚げの下りないうちから道楽の味をおぼえた彼は、とうとう自分の家を飛び出して、神....
「廿九日の牡丹餅」より 著者:岡本綺堂
助で、本来ならば父のない後の帳場に坐っているべきであるが、母親の甘いのを幸いに、
肩揚げのおりないうちから浄瑠璃や踊りの稽古所ばいりを始めて、道楽の果てが寄席の高....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
父はその新聞記事を読んで、「判らない奴には困るな。」と冷笑していた。その当時まだ
肩揚げの取れないわたしもそれには同感で、「判らない奴だな。」と思った。しかも、こ....