肩摩[語句情報] » 肩摩

「肩摩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

肩摩の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
蒲団」より 著者:田山花袋
ていた。一刻毎に集り来る人の群、殊に六時の神戸急行は乗客が多く、二等室も時の間に肩摩轂撃の光景となった。時雄は二階の壺屋からサンドウィッチを二箱買って芳子に渡し....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
込めの慾の皮がつッ張った連中の、年々の福を祝うてウンと金が儲かるようと、それさに肩摩|轂撃、押すなおすなの雑沓を現ずるのだが、何がさて、大慾は無慾に近く、とりに....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
草へ廻った。 いつも賑やかな浅草は、その日も素晴らしい賑わいで、奥山のあたりは肩摩轂撃、歩きにくいほどであった。 小芝居、手品、見世物、軽業、――興行物の掛....
取舵」より 著者:泉鏡花
を争いて甲板に顕れたる。 観音丸は船体|小にして、下等室は僅に三十余人を容れて肩摩すべく、甲板は百人を居きて余あるべし。されば船室よりは甲板こそ乗客を置くべき....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
ソウ》の番附《プログラム》を触れ売りする若い衆、コンフェッチを鬻《ひさ》ぐ娘など肩摩轂撃の大雑踏大混雑、行列《マルソウ》の先駆を務めるのは、長い喇叭《コルネット....
丸の内」より 著者:高浜虚子
員で、そのエレベーターが吐き出す人数は、下の十字路を通る群衆の中になだれ込んで、肩摩轂撃の修羅場を現出する。これは少し仰山な言葉かも知れんが、兎に角大変な混雑で....
上野」より 著者:永井荷風
おえ》るを待たずして独逸に遊学する談話とを以て局を結んでいる。今日不忍池の周囲は肩摩轂撃《けんまこくげき》の地となったので、散歩の書生が薄暮池に睡る水禽を盗み捕....
早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
っていることをも考慮に加えなければならない。座敷著姿の艶っぽい芸者や雛妓等があの肩摩轂撃的の人出の中を掻き分けながら、こちらの横町から向うの横町へと渡り歩いてい....