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肩章
「肩章〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
肩章の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「将軍」より 著者:芥川竜之介
、その後《うしろ》の小高い土地に、ずらりと椅子《いす》を並べていた。そこには参謀
肩章だの、副官の襷《たすき》だのが見えるだけでも、一般兵卒の看客《かんかく》席よ....
「或る女」より 著者:有島武郎
違いをしていないとも限りませんから。どうか聞かしてください」
そういって古藤も
肩章《けんしょう》越しに岡を顧みた。
「ほんとうに何もいう事はないんですけれども....
「渦巻ける烏の群」より 著者:黒島伝治
「何だい。」 ウラジオストックの幼年学校を、今はやめている弟のコーリヤが、白い
肩章のついた軍服を着てカーテンのかげから顔を出した。 「ガーリヤは?」 「用をし....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
。 「すると、第一回の比律賓攻略は、結果失敗に終ったということになりますな」参謀
肩章の金モール美しい将校が、声を呑んで唸った。 「うん、そうじゃ」司令官の別府大....
「幽霊妻」より 著者:大阪圭吉
げたのでございます。 ――すると、それまで私の話を黙って聞いていた、金筋入りの
肩章をつけた警官は、かたわらの同僚のほうへ向き直りながら、 「どうもこのお爺さん....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
年のたった一人として好成績を歌われた。 最近、汽車の中でこの男に会ったが、参謀
肩章なぞをさげて立派な士官になっていた。はじめ僕はすぐ前にいるのにそれと気がつか....
「二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
ルド大使には、しばらく秘密にして置け」 暗涙をのんで、そういったのは、中で一番
肩章の立派なアルゴン大将だった。彼は、数分前新任されたばかりの戦争次官だった。 ....
「氷河」より 著者:黒島伝治
いることだ。娘をメリケン兵に横取りされる危惧もそこから起ってくる。 「何で、俺の
肩章が分らんのだ! 何で俺のさげとる軍刀が分らんのだ!」 それが不思議だった。....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
ないのではないか。 しかし、法水は無言のまま死体に眼を落した。 八住衡吉は、
肩章のついたダブダブの制服を着、暑さに釦を外していたが、顔にはほとんど表情がなか....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
て鈴田に手をひかれながら、黒眼鏡の怪奇な顔をあらわした。陸軍用の車からは、中佐の
肩章をつけた、背の高い、やせ型の、青白い顔の将校が出て来たが、しばらく突っ立って....
「おびとき」より 著者:犬田卯
みてえなもの冠って、剣付鉄砲かかえて警備についていっとこだっけが、一枚は上等兵の
肩章つけた平常の服のだっけよ。眼がばかにキツかっけが、まさか戦地だものな……でも....
「世界の裏」より 著者:国枝史郎
スプーチンの死骸を引出し、ネバ河へ投げ込もうとした時、ラスプーチンの手が、公爵の
肩章をむしり取った。まだ、生きていたのである。 しかし、その次の瞬間には、氷塊....
「不在地主」より 著者:小林多喜二
のが、抑えられたように静かになった。が、すぐ、ガヤガヤが返ってきた。――子供達は
肩章の星の数や剣について、しゃべり出した。口争いを始めた。――百姓は、たまに軍人....
「二階から」より 著者:岡本綺堂
私を征服して、私の庭を傲然として占領している。 次は蛙である。青い脊中に軍人の
肩章のような金色の線を幾筋も引いている雨蛙である。 私の狭い庭には築山がある。....
「流刑地で」より 著者:カフカフランツ
。それだけに、この将校は彼には驚嘆すべきものに思われるのだった。将校は、重そうな
肩章をつけ、金モールを下げた窮屈そうな礼装の軍服に身を固めて、ひどく熱心にこの件....