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「肩肘〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

肩肘の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
富士」より 著者:岡本かの子
どういうものか、あの人の前へ出ると、威圧される気がするところから、つい心にもない肩肘の張り方をしてしまう。どうも姉弟ながらうち解けにくい」 と零《こぼ》した。....
隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
らぬ愉快に日を暮らし、骨の折れる仕事も苦しくは覚えぬのである。まして憎からぬ人と肩肘並べて働けば少しも仕事に苦しみはない。よし色恋の感情は別としても、家じゅう気....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
でも取り除くことは出来なくなった。 そのあくる日から復一は真佐子に会うと一そう肩肘を張って威容を示すが、内心は卑屈な気持で充たされた。もう口は利けなかった。真....
食魔」より 著者:岡本かの子
の向う側へ黙って抛り出した。 それから、笊の蔬菜を白磁の鉢の中に移した。わざと肩肘を張るのではないかと思えるほどの横柄な所作は、また荒っぽく無雑作に見えた。教....
煩悩秘文書」より 著者:林不忘
傍から口を合わせて、 「なんでも、江戸の武芸者だとかいうことだが。」 あとは、肩肘を張って口ぐちに、 「ふん、江戸の武芸者か。へん! 江戸にゃあ、武芸者と犬の....
石狩川」より 著者:本庄陸男
ると、ひそかに想像していたよりも格段の落ちつきを持った一箇の権力が、彼の目の前に肩肘《かたひじ》を張っているのだ。 馬繋ぎ場のわきで立ちどまった彼は、振り分け....
丹下左膳」より 著者:林不忘
が、多勢の手で一隅から押し出されると、上座の鉄斎のあから顔がにっこりとして思わず肩肘《かたひじ》をはって乗り出した。 と、母家《おもや》と廊下つづきの戸の隙間....
丹下左膳」より 著者:林不忘
を拾おうものなら、天下一の果報者《かほうもの》というわけ。 いま群衆のなかに。肩肘はった浪人者や、色の生っ白《ちろ》い若侍のすがたが、チラホラするのは、みんな....
北斎と幽霊」より 著者:国枝史郎
もっとも先祖|忠秋以来ちと頑固に出来てもいたので、他人なら笑って済ますところも、肩肘張って押し通すという野暮な嫌いもなくはなかった。 狩野融川に至っては融通の....
次郎物語」より 著者:下村湖人
れにできるだけ多くの時間を費すことであった。大河は言った。 「小人数にわかれると肩肘張った演説もできまいし、それに地方別ということが、自然話題を地についたものに....
魔像」より 著者:林不忘
いる大広間だ。 荒磯《あらいそ》の描いてある衝立《ついたて》の前で、いまこう、肩肘《かたひじ》を張って叫び揚げた武士《さむらい》がある。 紋服に、下り藤の紋....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
気さえもする。慧鶴青年は詩箋に落す筆を控えて、再び迷い始めた。すると得意になって肩肘張り、なおも世に高名を求めようとする側の自分は取り残して行く未解決の側の自分....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
本当に授かる宝は取出されるのです。 飽くまで生き抜く力と言っても、朝から晩まで肩肘張って力んでいることではありません。相手や、場合によってそうしなければならな....