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「肩肱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

肩肱の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
頃から忍んで出た。これまでほかの弟子たちが一度も当の敵に出逢わないのは、むやみに肩肱を怒らせて大道のまん中を押し歩いているからである。自分はまだ前髪立ちの少年で....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
て、一人、舞台へ出たように目に留まった。麻は冷たい、さっくりとして膚にも着かず、肩肱は凜々しく武張ったが、中背で痩せたのが、薄ら寒そうな扮装、襟を引合わせている....
琵琶伝」より 著者:泉鏡花
あとは途ぎれてことばなきに、お通はあるにもあられぬ思い、思わず起って駈出でしが、肩肱いかめしく構えたる、伝内を一目見て、蒼くなりて立竦みぬ。 これを見、彼を聞....
黒百合」より 著者:泉鏡花
だから見ていたの。あい、おかしくッて可うござんした。ここいらじゃあ尾鰭を振って、肩肱を怒らしそうな年上なのを二人まで、手もなく追帰したなあ大出来だ、ちょいと煽い....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
氏をその一団からすっかり押し出してしまうまでに、自分のさっきの弁護依頼人に向って肩肱を張って、言った。「わたしは君を立派に救い出してあげたんで嬉しいですよ、ダー....
南国太平記」より 著者:直木三十五
でないといかんかな。これからはお前達、町人の世の中だぞ。金の物云う世の中じゃぞ。肩肱、張って騒ぐより、算盤を弾く方が大事じゃ。手紙でみると、お前の夫は何か騒ぎ立....
三枚続」より 著者:泉鏡花
どけない、罪のないことを真心から言って崩折れた。真面目な話に酔もさめたか、愛吉は肩肱を内端にして、見ると寂しそうで哀である。雨は霽れた、人は湯さめがしたように暑....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
すと、これは江戸の一縮図といっていい。鋸屑を着けている材木屋、上方流れの安芸人、肩肱を突ッ張っている無法者、井戸掘りらしいひとかたまりの労働者、それとふざけてい....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
盤玉に合うか、よく考えて返辞をしろ」 これはまるでムキ出しな浪人伝法。一角ほど肩肱は張らないが、その代りに、黙って刀が先にものをいいそうだ。 大湯の八間燈や....