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肩身が狭い
「肩身が狭い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
肩身が狭いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
けれども（こういう場合葉子はおくびにも母の名は出さなかった）親のないわたしたちは
肩身が狭いわね。まああなた方《がた》はそんなに泣いちゃだめ。愛さんなんですねあな....
「両国の秋」より 著者:岡本綺堂
お君もお婆さんもみな眼を赤くしていた。林之助は自分の不人情が急に恥かしくなって、
肩身が狭いような心持ちで病人の枕もとにそっと坐ると、お絹はもう正体がなかった。も....
「吉良上野の立場」より 著者:菊池寛
達左京の方は、いくら使ったかしら？」 「それはわからん！」 「伊達より少ないと、
肩身が狭いぞ」 「第一評判が悪くなる」と、人々がいっている時、 「吉良上野介様あ....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
れか、そればかりが気になって、見物にはいっこう身が入らぬものさえある。小野さんは
肩身が狭い。人の波の許す限り早く歩く。 「阿爺《おとうさん》、大丈夫」と後《うし....
「こころ」より 著者:夏目漱石
業なすって何をしてお出《いで》ですかと聞かれた時に返事ができないようじゃ、おれも
肩身が狭いから」 父は渋面《しゅうめん》をつくった。父の考えは、古く住み慣れた....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
いられないで出て来た。それも身から出た錆というような始末だから一層兄夫婦に対して
肩身が狭い。自分ばかりでなく母までが肩身狭がっている。平生ごく人のよい省作のこと....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
れている。清吉は好い男で、若い江戸っ子でしたが、可哀そうに刺青がないから、どうも
肩身が狭い。掛声なんぞは練習次第でどうにでもなるが、刺青の方はそうは行かない。体....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
極的な言葉とをあやしみ見た。清三はまたいっそう快活になった友だちに対してなんだか
肩身が狭いような気がした。 熊谷の町はにぎやかであった。ここでは注連飾りが町家....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
だと思って、ぞッとして、それからというものは、何だか重荷を背負ったようで、今でも
肩身が狭いようなの。 あとでね、あのそら先刻いった黒眼鏡ね、（烏蜻蛉見たように....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
日もお面《かお》をお出しなさらなくては、殿様へ対しても失礼であろうし、自分たちも
肩身が狭いから、ぜひぜひおいであそばせと言って、左右の女たちがせがみました。左右....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
逢ってから、随分大事に身を持ったよ。よ、貢さん、人に後指さされちゃあ、お前さんの
肩身が狭いだろうと思ったし、その上また点を打たれる身になるとね。」 小親引寄せ....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
たくはなかったよ。」 と若山は花屋の奥に端近く端座して、憂苦に窶れ、愁然として
肩身が狭い。慶造と呼ばれたのは、三十五六の屈竟な漢、火水に錬え上げた鉄造の体格で....
「自由人」より 著者:豊島与志雄
に、お父さんがほんとに病気とすれば、喜ばれない見舞人は、招かれざる客と同様、ちと
肩身が狭いね。」 「お酒もあってよ。」 「誘惑するな。ところで、君はどこに行った....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
、半月かそこら、お世話になった前川さんに対して、あんなご恩になることだって、随分
肩身が狭いじゃないの。それだのにこれ以上、お姉さんは、何をなさろうと思っていらっ....
「不在地主」より 著者:小林多喜二
んだとさ。」 健はだまった。 彼は自分の妹や母親のことでは、どの位阿部や伴に
肩身が狭いかわからなかった。 十一 「千回もやってくれ」 第....