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肩車
「肩車〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
肩車の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文章」より 著者:芥川竜之介
おもときょう》の神主《かんぬし》が一人、彼自身の子供らしい白《しら》っ子《こ》を
肩車《かたぐるま》にしていたのは今日《こんにち》思い出しても奇観である。保吉はい....
「誘惑」より 著者:芥川竜之介
。岩の壁によりかかった赤児の死骸《しがい》は次第に又変りはじめ、とうとうちゃんと
肩車をした二匹の猿になってしまう。
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前の洞穴の内部。船長は「さ....
「さようなら」より 著者:田中英光
放題に暴飲暴食させて貰ったから堪らない。ぼくは漱石みたいに髭を生した怖い顔の父に
肩車で乗っていて、したたか父に黄金の臭い雨を浴せかけた。父は怒らず、そんなぼくを....
「蠅男」より 著者:海野十三
うのだから、ますます不思議である。 では犯人の人数が多くて、軽業でもやるように
肩車をして、総一郎を吊りあげたろうかと考えるのに、これもちと可笑しい。それはこの....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
わっはっは、わっはっは、東西東西、覆面の頭目、四馬剣尺の正体とは、男のような女に
肩車してもらった小男とござアい。わっはっ、わはっはっは! やい、その女、貴様は小....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
》こうとしたが、窓が高い。 そこで田鍋の部下二名が台の代りになり、帆村と課長を
肩車に乗せた。この珍妙《ちんみょう》な形でもって、透間《すきま》を通して窓の中を....
「骸骨館」より 著者:海野十三
るので、そこからのぞきこめばよかった。破れ穴が高いときには少年の一人が他の少年に
肩車すればよかった。 一番目から三番目までの工場は、いずれも中でベースボールを....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
負され、と言うて背中を向けたから、合羽を跨ぐ、足を向うへ取って、猿の児背負、高く
肩車に乗せたですな。 その中も心の急く、山はと見ると、戸室が低くなって、この医....
「父」より 著者:金子ふみ子
とを覚えているから……。 私はいつも父につれられて風呂に行った。毎夕私は、父の
肩車に乗せられて父の頭に抱きついて銭湯の暖簾をくぐった。床屋に行くときも父が必ず....
「地底戦車の怪人」より 著者:海野十三
、もうこれでいい。なにが来ても、おどろくことはない。 パイ軍曹はピート一等兵の
肩車にのって戦車の蓋を中から、しきりにとんとんと叩いて、外部と連絡をとっていたが....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
の好い声で――それは一度慄えただけであった。―― 「阿父さんは好くちびのティムを
肩車に乗せてお歩きになったものだがねえ、それもずいぶん速くさ。」 「僕もおぼえて....
「二つの短い話」より 著者:ケネディパトリック
軈て二人は連れ立って外に出ました。そして、笛吹きが今にもプカの背中に来た時通りの
肩車をしようとしていると、其処へさっきの雄白鵞鳥がやって来ました。そして、彼に新....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
、すっかりそれを忘れてしまっていたのである。 ある夏の日暮である。次郎は直吉の
肩車に乗って、校番の部屋から畦道に出た――直吉は二十二三歳の青年で、次郎の実家の....
「わが童心」より 著者:佐藤垢石
狐が、一人の娘に化けたというのが、私ら子供の興味を集めた。一匹の狐が、一匹の狐の
肩車に乗り、一体となって巧みに、姿のなまめかしい娘に化けた。 そこで、娘は青年....
「春心」より 著者:田中貢太郎
から右の肩へ廻すなり、肩の上に馬乗になって額に両手をかけた。 「やあい、やあい、
肩車になったのだ」 広巳は広義の足に両手をかけた。 「按摩さんの大将は、馬に乗....