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肩骨
「肩骨〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
肩骨の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
の面倒を惹起した。其隣の馬は、節句の遊びに乗った親類の村蔵と云う男を刎ね落して、
肩骨を挫き、接骨医に二月も通わねばならぬ様の怪我をさせ、其為一家の予算に狂いが来....
「オンチ」より 著者:夢野久作
が皆、走り集まって来たので待合室の中が急に、暗くなった。 その中で三好の左右の
肩骨がゴクンゴクンと折れ離れる音がした。 「ダダッ。ガガッ。ギイギイギイ――ッ…....
「日輪」より 著者:横光利一
いた大きな薫炉が据えられた。その中の、菱殻の焼粉の黄色い灰の上では、桜の枝と鹿の
肩骨とが積み上げられて燃え上った。咒禁師はその立ち籠めた煙の中で、片手に玉串を上....
「薬」より 著者:井上紅梅
店の隅の卓子に向って飯を食っていた。見ると額の上から大粒の汗がころげ落ち、左右の
肩骨が近頃めっきり高くなって、背中にピタリとついている夾襖の上に、八字の皺が浮紋....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
車である。これは犬の使用法として理想に適したものとは思われぬ。犬というものはその
肩骨《けんこつ》の構造から考えても、車を曳《ひ》くようにできておらぬが、とにかく....
「古事記」より 著者:太安万侶
を作らしめ、アメノコヤネの命とフトダマの命とを呼んで天のカグ山の男鹿《おじか》の
肩骨をそつくり拔いて來て、天のカグ山のハハカの木を取つてその鹿《しか》の
肩骨を燒....
「天才」より 著者:神西清
くもある。エゴール・サヴィチは醜悪なほど、獣めいているほど、尨毛である。髪の毛は
肩骨までも垂れているし、髯は首にも鼻の孔にも耳朶にも生い茂っているし、眼玉は繁り....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
れして、武蔵の木剣が、どの程度に打ちこんでいるものか、若先生が打たれたという右の
肩骨をよく調べた上、腕を斬るなら、血止めや手当の用意をよくととのえておいてからで....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
角に縄尻をとられて控えている。 関の時雨堂から、ここへ囚われて来てより早百日、
肩骨張って色青白く、めっきり痩せ衰えてみえるが、意気は軒昂。 晃々たる菊の間の....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
と、戻りかけると、世阿弥は発作的に、突然、居どころから飛びあがった。 とがった
肩骨がかれの胸を打った。上へ刀を振りかぶれる空間があれば、据物斬り、ただ一|揮に....