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「育つ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

育つの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
たされていた。日本に帰って来てくださったかいがどこにある。親がなくて子が子らしく育つものか育たぬものかちょっとでも考えてみてもらいたい。乳母もだんだん年を取って....
私の父と母」より 著者:有島武郎
た仕事をしていたろう」と言っていた。健康は小さい時分にはたいへん弱い子で、これで育つだろうかと心配されたそうだが、私が知ってからは強壮で、身体こそ小さかったが、....
富士」より 著者:岡本かの子
を山に持って行って置いて来た。 山の麓にこどもを置去りにして来て、果してそれで育つものかどうか危ぶまれた。しかしどこへ置いたところでその幸《さち》のないものは....
三十年後の東京」より 著者:海野十三
わけでもあるまい。地中では、太陽の光と熱とをもたらすことができないから、農作物が育つわけがない。 「ここです。はいりましょう」 大きなビルの中に案内された。こ....
三人の双生児」より 著者:海野十三
徳島で買った子だったがネ。当時はなんでも八つだといったネ。病身らしい子で、とても育つまいかとは思ったが、肩のところにある瘤が気に入って買ってしまったのさ」 「誰....
三の字旅行会」より 著者:大阪圭吉
慈悲深い人の手に渡って、育てられることになったんですが、ところがこの娘さんが又、育つにつれて大変利口な子供になり、学校へ上るころには、もう自分の身の上をそれとな....
三十年後の世界」より 著者:海野十三
わけでもあるまい。地中では、太陽の光と熱とをもたらすことができないから、農作物が育つわけがない。 「ここです。はいりましょう」 大きなビルの中に案内された。こ....
怪星ガン」より 著者:海野十三
ない。上から特殊な光線がこの野菜棚を照らして、太陽の光りにあたるよりもずっとよく育つのだそうだ。また肥料もそれぞれの野菜に合ったものがじゅうぶんにあたえられ、植....
古狢」より 著者:泉鏡花
ない事も断っておきたい。 近頃は風説に立つほど繁昌らしい。この外套氏が、故郷に育つ幼い時分には、一度ほとんど人気の絶えるほど寂れていた。町の場末から、橋を一つ....
慈悲心鳥」より 著者:岡本綺堂
は金にあかしてその巣を探させた。そうして、結局それは時鳥とおなじように、鶯の巣で育つということを確かめて、高い値を払ってその卵を手に入れたが、それをどうして育て....
」より 著者:犬田卯
の肝煎りで、特に組合が実行したに相違なかった。 「体温|計ってみたところで、稲は育つめえで」と一人が言って、浩平に話しかけた。「なア、よう、台の親方。」 「うむ....
当今の劇壇をこのままに」より 著者:岡本綺堂
しい决算を見ないで行悩み勝ちだという。 私は見物は進んで行くし乳がなくても子は育つ、一年経てば一つになる、外国でも見物は甘いものだ、といって、現状に満足するも....
青い花の香り」より 著者:小川未明
て、やがて翌年の春となったのであります。 「お母さん、南アメリカの温かいところに育つ花ですから、こちらでは咲かないかもしれませんね。」と、のぶ子は、ある日、お母....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
は無限に肥えふとった宝田であります。いかなる種子も蒔けば生え、いかなる根も卸せば育つのであります。働く人の働き如何によって、真、善、美の理想は、思いのままに取出....
赤い船とつばめ」より 著者:小川未明
のお家へ帰らなければなりませんでした。寒さに弱い、この小鳥は、あたたかなところに育つように生まれついたからです。 王さまは、もうつばめらの帰る時分だと思うと、....