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育てる
「育てる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
育てるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「不思議な島」より 著者:芥川竜之介
ね?」
老人「大騒ぎですとも。誰でも大市に間《ま》に合うように思い思いの野菜を
育てるのですからね。燐酸肥料《りんさんひりょう》をやる、油滓《あぶらかす》をやる....
「捨児」より 著者:芥川竜之介
始めました。が、何しろ御維新《ごいしん》以来、女気《おんなけ》のない寺ですから、
育てると云ったにした所が、容易な事じゃありません。守《も》りをするのから牛乳の世....
「鮨」より 著者:岡本かの子
を感ずる。息子は十六七になったときには、結局いい道楽者になっていた。 母親は、
育てるのに手数をかけた息子だけに、狂気のようになってその子を父親が台なしにして仕....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
のために苦労してくれた親も、ついに死ぬ時がきて死んだ。われらはいま多くのわが子を
育てるのに苦労してるが……と考えた時、世の中があまりありがたくなく思われだした。....
「振動魔」より 著者:海野十三
よ、あたしはもう決心しているのよ。あたしがお胎にもっている可愛いい坊やを、大事に
育てるんです」 「ああ、それでは、博士を偽って、博士の子として育てようというので....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
その頃のあたしはちゃんと父母の手で育てられていたので、男の子を特別に女の子にして
育てるというようなことはなかったと思うわ」 「そうでしょうかしら」 と真一は物....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
赤子のとき、あんまりかの女達が若い親だったことを思い出した。若くもあり、性来子を
育てる親らしい技巧を持ち合せて居ない自分達を親に持ったむす子の赤児の時のみじめさ....
「「別居」について」より 著者:伊藤野枝
ました。けれどもこれにも、私はすぐに絶望しなければなりませんでした。子供を完全に
育てるというだけの自信を持つには、私はあまりに貧弱な自分に愛想をつかしましたから....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
ろ世話になるだろう。よろしく。進※の腕白には大ぶ困らせられたようだね。人間の子を
育てるのはお雛様や人形を弄ぶのとは少し訳が違う。もし足下等の女の手に自由自在にな....
「雑文的雑文」より 著者:伊丹万作
が知らないからである。こういうしくみでは才能ある作家をつかまえることも困難だし、
育てることは一層不可能である。映画企業家のせつに一考を要する点であろう。 そも....
「母と娘」より 著者:岡本かの子
恩給で余り贅沢は出来ぬが普通な生活を続けて来た。 夫を失ったスルイヤは一人娘を
育てる傍ら新しい進歩主義を奉ずる婦人団体へ入って居た。其の団体は大戦当時ですら敢....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
になり、自分独り孤独を楽しむようになって、人交際が出来にくくなります。 子供を
育てるにしろ、人を使うにしろ、相手をすっかり萎縮けさしてしまって、その特色を引き....
「あの顔」より 著者:大倉燁子
位にまで据えたりして、と、思うと腸が煮えくりかえるほど腹が立ちました。赤ン坊一人
育てるということは、先生、容易ならぬ苦労でございます。その苦労を私一人に背負わせ....
「鉄の処女」より 著者:大倉燁子
し、頻りに奔走していましたし、子供がないので、事業を子供だと思って、全力を挙げて
育てるのだと申し、希望に満ちた生活をしていた際ですから、少し位健康を害していたと....
「黒猫十三」より 著者:大倉燁子
た。 「十三子さん、豪いですね」と本庄は感心した。宮岡警部は苦笑して、 「男手で
育てるとお転婆になって困るよ。女らしい教育が出来ないから。――」 そんな事を話....