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育て上げる
「育て上げる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
育て上げるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
十以上ですから、どう考えたって、自分に子供が生れた場合に、それを年頃まで監督して
育て上げるという時日の確信が持てよう筈は無かったのに――その点から父もかなりエゴ....
「新ハムレット」より 著者:太宰治
えて下さい。これは、もうお願いではありません。命令です。わしには、君を立派な王に
育て上げる義務があります。この王城にとどまり、間もなく佳い姫を迎える事にしようで....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
つけて、お祝いの産衣が四方から山ほど集り、蚤一匹も寄せつけず玉の肌のままで立派に
育て上げる事も出来たのに、一年おくれたばかりに、雨風も防ぎかねる草の庵に寝かされ....
「若い婦人のための書棚」より 著者:宮本百合子
せられる娘である。が、作者は、ジャーシャを孤児の境遇から幸福で富裕な近代若夫人に
育て上げるために「あしながおじさん」というほとんどロマンティックな青年貴族をもち....
「百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
S氏から仔猫を三疋もらった。二三日すると一疋はポックリ死んでしまった。さてこれを
育て上げるのが一骨《ひとほね》だ。塾生の青年共にまかせて置いた日には前例がある。....
「反抗」より 著者:豊島与志雄
藉であり、子供にとってはお祖母さんが唯一の頼りだった。そしてお祖母さんは、子供を
育て上げることに残りの一生を捧げたのだ。 「この二人に次で、吉川さんの死から可な....
「神棚」より 著者:豊島与志雄
に最も賛成だったし、池部はひっ叩くことに最も気が向いていたし、俺は立派な印刷所を
育て上げることに最も望みをかけた。然し三つの解決なら、結局どっちになっても面白そ....
「空家の冒険」より 著者:ドイルアーサー・コナン
が、君は木の下に仔山羊をつなぎ、その上に銃を置かなかったかね? すなわち君の虎を
育て上げる餌を求めるために、――ははははははは、この空家は私の木、――そして君は....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
から、ヒュウムの説の正しいことが明かに立証される。『ロンドンで子供を役に立つまで
育て上げるには、小屋で襤褸に包まれオウトミイルと馬鈴薯で養われた同じ年齢の人間を....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
知られていないのであった。百姓の女たちが野暮な赤ん坊などというものを傍において、
育て上げるのであって、六十歳の婀娜なお婆さんたちは二十歳の時のように盛装し晩餐を....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
婚数の比率は依然ほとんど同一に止まろうが、しかし彼らはいずれも前より余計の子供を
育て上げることになり、そして要求されている人口の増加は、出生数の増加ではなく、死....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
アクセントではそれが奇ッ怪でないばかりか、シミジミと耳に快い。大阪人という性格を
育て上げる重大な環境の一ツはこのような言い廻し、言葉だろうと私は思った。 反対....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
ばならぬ。それが前者の作用をする限りにおいて、それは、労働貧民がその子供を教育し
育て上げる能力を低減しなければならず、またその限りにおいて国の人口を抑制する傾向....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
、菩薩では、不動明王は煩悩を智の利剣で斬り伏せる折伏門係り、観世音は慈悲で智慧を
育て上げる摂受門係りであります。 他を愛することばかりが美挙の全部だと思ってい....
「ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
ったときには、なんだかひどくたよりない、ぼんやりした子供で、果たして男手ひとつで
育て上げることができるかしらと全く心細く思われたものだったが……。三年前だった、....