肺尖[語句情報] »
肺尖
「肺尖〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
肺尖の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「檸檬」より 著者:梶井基次郎
に相当した時期がやって来る。それが来たのだ。これはちょっといけなかった。結果した
肺尖《はいせん》カタルや神経衰弱がいけないのではない。また背を焼くような借金など....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
ちみたところ、この女は立派に成熟していたが、すこし心神にやや過度の消耗があり、左
肺尖に軽微ながら心配の種になるラッセル音が聴こえるのだ。この患者の体力消耗が一時....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
った。 規矩男自身と云えば、規矩男は府立×中学を出て一高の×部へ入り、卒業期に
肺尖を少し傷めたので、卒業後大学へ行くのを暫く遅らして、保養かたがた今は暫く休学....
「島原心中」より 著者:菊池寛
でもするように、馴れ切った冷静な手付きで、肺や心臓や胃腸など一通り見た上で、女に
肺尖カタルの痕跡があるといいました。 僕は、死体の解剖を見ているうちに、自分の....
「橇」より 著者:黒島伝治
ければ、声が出ないことがあった。 彼は、シベリヤへ来るまで胸が悪くはなかった。
肺尖の呼吸音は澄んで、一つの雑音も聞えたことはなかった。それが、雪の中で冬を過し....
「足迹」より 著者:徳田秋声
たが、いくらか肉づきもよくなっていたし、色沢も出て元気づいていた。叔父は自分では
肺尖加答児だと称していた。 狭い田舎の町では、お庄は姿が人の目に立って、長くも....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
できくのですって。たとえば、「どの位のを結核というのですか」とか(町のお医者は「
肺尖ですよ」といいますでしょう、だからね)「どの位なおったら働いていいのでしょう....
「二つの途」より 著者:豊島与志雄
まり返って並んでいる木立、何ものをも肯定する生の息吹き……。彼は大きく息をした。
肺尖のあたりがきりきりと痛んで、痰が喉にからまった。彼は顔を渋めた。看護婦が痰吐....
「幻の彼方」より 著者:豊島与志雄
じゃないかも知れないと思ってる所じゃありませんか。」 彼女は呼吸器が弱かった。
肺尖|加答児《カタル》を病んだこともあるそうだった。そのことだなと順造は思った。....
「条件反射」より 著者:豊島与志雄
条件反射 豊島与志雄 煙草 煙草の好きな某大学教授が、軽い
肺尖カタルにかかった。煙草は何よりも病気にさわるというので、医者は禁煙か然らずん....
「オランウータン」より 著者:豊島与志雄
夜も目が離せない。 夜中の冷気にさわってか、お上さんは感冒にかかり、気管支から
肺尖をいため、高熱が続いた。それでもやはり、家人のすきをねらっては、家をぬけ出す....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
めいた心持を起こして、気づかわしい情愛で看護をした。医者はオリヴィエを聴診して、
肺尖《はいせん》に少し炎症を発見し、患者の背中にヨードチンキの塗布をクリストフへ....
「雨」より 著者:織田作之助
た。新聞社にいたころから時々自転車の上で弱い咳をしていたが、あれからもう半年、右
肺尖カタル、左肺|浸潤と医者が即座にきめてしまったほど、体をこわしていたのだった....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
ほど。ちとあぶなかったな。……しかし、まずまず危険には遠い。……あっ、しまった!
肺尖が! ……」 心の中で呟きながら専斎はズンズン診て行った。 「……一分、い....
「雨」より 著者:織田作之助
を吐いた。汽船の火夫をしていた頃から時々弱い咳をしていたが、あれからもう三月、右
肺尖カタル肺浸潤、ラッセルありと医者が簡単に決めてしまったほど、体を悪くしてしま....