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肺結核
「肺結核〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
肺結核の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「父」より 著者:芥川竜之介
わざわざ停車場へ来たのだそうである。
能勢五十雄は、中学を卒業すると間もなく、
肺結核《はいけっかく》に罹《かか》って、物故した。その追悼式《ついとうしき》を、....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
来、門の内へはいるが早いか、忽《たちま》ち妙な臭気を感じた。それは老人には珍しい
肺結核の床に就《つ》いている玄鶴の息の匂《におい》だった。が、勿論《もちろん》家....
「春の夜」より 著者:芥川竜之介
《うち》へ行った時、何か妙に気の滅入《めい》るのを感じた。それは一つには姉も弟も
肺結核《はいけっかく》に罹《かか》っていたためであろう。けれどもまた一つには四畳....
「のんきな患者」より 著者:梶井基次郎
うものを感じたのだった。 吉田は平常よく思い出すある統計の数字があった。それは
肺結核で死んだ人間の百分率で、その統計によると
肺結核で死んだ人間百人についてその....
「壊れたバリコン」より 著者:海野十三
* 亡友Y――は斯う語って、この壊れた加減蓄電器を私に手渡したのです。ひどい
肺結核に襲われている彼の細い腕は、その時このバリコンをすらもち上げる力が無かった....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
、医学的に相当の理由が無くては、開業医といえどもウッカリ手を下せないのだ。母体が
肺結核とか慢性腎臓炎であるとかで、胎児の成長や分娩やが、母体の生命を脅すような場....
「温泉」より 著者:梶井基次郎
なって帰って来たからである。その青年は新聞配達夫をしていた。風邪で死んだというが
肺結核だったらしい。こんな奇麗な前庭を持っている、そのうえ堂々とした筧の水溜りさ....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
、気分が悪いじゃ。」 面は死灰のごとくなりき。 時彦はその時よりまた起たず、
肺結核の患者は夏を過ぎて病勢募り、秋の末つ方に到りては、恢復の望絶果てぬ。その間....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
ゲーネフとゴーリキーの小説を送るように言ってやってくれ。翁からの手紙によればもう
肺結核が二期にまで進んでいるんだそうだね。 福田、大須賀の二女史から見舞いが来....
「落ちてゆく世界」より 著者:久坂葉子
は信一といって大学に通っておりましたが、戦争中の無理が原因となって、一昨年の夏、
肺結核のため入院したのでした。要心深い細心な人ですから、入院して以来、一歩も外へ....
「光は影を」より 著者:岸田国士
をたてたのである。 彼の選択は、しかし、自然にある範囲に集中されて行つた。まず
肺結核の治療に関する書物を片つぱしから読んでみた。医者の書いた専門的な研究から、....
「瘤」より 著者:犬田卯
会長……それだけでは三人の子供ら――長男は賭博の常習犯、次男は軟派の不良、三男は
肺結核――の小遣銭まではとてとは思われるが、「食えないから、いよいよ、村長にでも....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
なわちここに在る記念の浴衣。 懐しくも床さに、お縫は死骸の身に絡った殊にそれが
肺結核の患者であったのを、心得ある看護婦でありながら、記念にと謂って強いて貰い受....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
となって終に再び枕が上らなくなってしまった。その果がとうとう露人の病院に入院して
肺結核という診断を受け、暫らくオデッサあたりに転地するかさなくば断然帰朝した方が....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
方はどうやらなおったが、しばらくすると、お静はまた気分が悪いと言い出した。医者は
肺結核だという。環境を変えるため、下谷西町の小さいながらも庭のある家へ引越したり....