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肺腑
「肺腑〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
肺腑の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ら恨めしいわい……」 せつなです。 「申しわけござりませぬ!」 不意でした。
肺腑《はいふ》を突きえぐるようなその声を、黙々として聞いていた泥斎が、とつぜん言....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
あるのです。それも、くねくねと曲がりくねった金くぎ流のおぼつかない文字で、一読|
肺腑《はいふ》をえぐるような悲しい訴えと祈願が、たどたどしげに書いてあるのでした....
「オリンポスの果実」より 著者:田中英光
していました。
ぼくにはよく解らないながら、川北氏の一言一句はネルチンスキイの
肺腑《はいふ》に染《し》み渡《わた》るとみえ、彼はいかにも恐縮《きょうしゅく》し....
「仇討禁止令」より 著者:菊池寛
ほどお喜びになるか分からないと、拙者は存ずるが……」 新一郎の言葉は、いかにも
肺腑より出るようであった。 「お兄様のお言葉、嬉しゅうござりまする。しかし、私は....
「食魔」より 著者:岡本かの子
た。「そうだなあ、味だな」鼈四郎は哄笑して、去り気ない様子を示したが、始めて人に
肺腑を衝かれた気持がした。良人の画家に「大陸的」と極めをつけられてよいのか悪いの....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
らないぞ」 さして大きな声と云うのではないが、根岸の詰問には一種の底力があって
肺腑にグン/\応えて来る。それに彼のギロ/\した眼の不気味さ。流石の浅田もぶるっ....
「続黄梁」より 著者:田中貢太郎
き沈みした。皮も肉も焦けただれて、痛みが心にこたえた。沸きたった油は口に入って、
肺腑を烹られるようであった。一思いに死のうと思っても、どうしても死ぬることができ....
「ルバイヤート」より 著者:小川亮作
なしに、過ぎてしまった。 36 ああ、掌中の珠も砕けて散ったか。 血まみれの
肺腑は落ちた、死魔の足下。 あの世から帰った人はなし、きく由もない―― 世の旅....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
者たり群集の木鐸たる文人はヨリ以上冷静なる態度を持してヨリ以上深酷に直ちに人間の
肺腑に蝕い入って、其のドン底に潜むの悲痛を描いて以て教えなければならぬ。今日以後....
「地球要塞」より 著者:海野十三
無断で、クロクロ島へ闖入《ちんにゅう》したのか。はっきり、わけをいえ」 私は、
肺腑《はいふ》をしぼって呶鳴《どな》りつけた。 「あははは、そう無理をするなとい....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
愛するヒットラー総統に伝達してやるぞッ!」 福士大尉は、アンの耳に口をつけて、
肺腑をしぼるような声で、最後の言葉を送った。 そのとき、夜は、ほのぼのと、明け....
「連城」より 著者:田中貢太郎
合わしたままで黙っていた。しかも女の悲しそうな顔といたましい姿とは、人をしてその
肺腑を苦しましめるものがあった。顧は憤然としていった。 「どうか、賓娘を伴れてい....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
構えて静まり返り、今度こそ切るぞ! からかうのは止めだ! こう決心をしたらしく、
肺腑を抉るような鋭い眼で、主水の眼を睨み詰めた。 切先と眼とに圧せられ、主水は....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
はただ芸術だけでは決して与えられるものでないから、作者の包蔵する信念が直ちに私の
肺腑の琴線を衝いたのであると信じて作者の偉大なる力を深く感得した。その時の私の心....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
動すことが出来ましょう。
ファウスト
それは君が自分で感じていて、それが
肺腑から流れ出て、
聞いているみんなの心を
根強い興味で引き附けなくては、
世間....