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胃弱
「胃弱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
胃弱の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
いにちょいと乗って見たんだ。――だがあいつは楽じゃないぜ。野口《のぐち》のような
胃弱は乗らないが好《い》い。」
「子供じゃあるまいし。木馬になんぞ乗るやつがある....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
》をしている事がある。時々読みかけてある本の上に涎《よだれ》をたらしている。彼は
胃弱で皮膚の色が淡黄色《たんこうしょく》を帯びて弾力のない不活溌《ふかっぱつ》な....
「黴」より 著者:徳田秋声
り減った当り棒、縁のささくれ立った目笊、絵具の赤々した丼などもあった。 長い間
胃弱に苦しんでいた笹村は、旅から持って帰った衣類をどこかで金に換えると、医療機械....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
ることには、ファニイが不服だという。 一八九三年一月×日 引続いて微熱去らず。
胃弱も酷《ひど》い。 「デイヴィッド・バルフォア」の校正刷、未だに送って来ない。....
「亮の追憶」より 著者:寺田寅彦
あったという話を聞いているから、この病気のためもあったに相違ない。実際その前から
胃弱のためにやせこけて、人からは肺病と思われていた。 この記事より二年前明治四....
「狼疾記」より 著者:中島敦
だ。今にして思えば、これを選ばせたものは、畢竟彼の身体の弱さであったろう。喘息と
胃弱と蓄膿とに絶えず苦しまされている彼の身体が、自らの生命の短いであろうことを知....
「日本文化私観」より 著者:坂口安吾
下へ置かず、僕が肉を一きれ食ううちに、オートミルを一皿すすり込んでしまう。先生が
胃弱になるのは尤もだと思った。テーブルスピーチが始った。コット先生が立上った。と....
「怒りの虫」より 著者:豊島与志雄
、却って楽しみに待つのだった。 その話を、按摩はただ座興にしたらしいが、自分で
胃弱を悩んでる八重子には、へんに気味悪く響いた。 「いやですわ、胃の中でごっとん....
「保久呂天皇」より 著者:坂口安吾
だけだ。怪しき物をまぜているな」 「効能があれば、よい」 三吉は痩せて小柄で、
胃弱のためにいつも蒼ざめ、猫背をまるめている不キゲンな小男であった。何を云うにも....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
《しゅうじん》の前に出るのを恐れるようになり、いわゆる気弱《きよわ》となる。また
胃弱者《いじゃくしゃ》のごときもまた同じく、気が始終|苛々《いらいら》し、つねに....
「暗号数字」より 著者:海野十三
広に包んで、なんだか急に年齢がふけたように見えた。顔色もたいへん黒く焦げて、例の
胃弱らしい青さがどこかへ行ってしまった。色眼鏡を捨てて縁の太い眼鏡にかえ、どこか....
「わが工夫せるオジヤ」より 著者:坂口安吾
したことになったのである。 私は子供の時から胃が弱い。長じて酒をのむに及んで、
胃弱のせいで、むしろ健康を維持することができたのかも知れない。なぜかというと、深....
「人生三つの愉しみ」より 著者:坂口安吾
く酔うこともあるし、益々酔えないこともあるし、とにかく外でのむとムリをするから、
胃弱を急速にひどくして、朝食べた物が十二時間経過した夜分になってもソックリ胃の中....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
切だということを、その結果として近ごろ痛感しているのである。 私は子供の時から
胃弱で、それが唯一の持病である。そのため適度の運動が必要で、終戦後キャッチボール....
「藪の鶯」より 著者:三宅花圃
遊ばすにようござりましょう。 篠「ナニわたくしはもう学校へまいりません。アノ父が
胃弱で当節は大そうよわりましたし。母は御存じのわからずやですから。家事も半ば私く....