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胃散
「胃散〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
胃散の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鉄鎚」より 著者:夢野久作
。 しかし遂にはそんな書物を買いに行く事すら面倒臭くなった。苦辛《にがから》い
胃散の味を荒れた舌に沁み込ませながら、破れ畳の上に寝ころんで、そこいらの壁や襖の....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
にいるものも有ります、とやったさ」 「そうだがねえ、いろいろなのが有るぜ、菓子に
胃散をつけて食う男があるよ」 三人は何を言っても気が晴れるという風だ。中には、....
「刻々」より 著者:宮本百合子
感じを与えたのであった。 喉仏がとび出した部長が入って来た。机の引出しをあけて
胃散を出してのんで、戦争の話をはじめた。 「失業者の救済なんてどうせ出来っこない....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
るばかりである。 時にコーヒーと餅菓子とケーキをもって心気を爽やかにすることは
胃散の用意なくては出来難い。しかる後、心に積る悩みは固まって憂鬱となるおそれがあ....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
殿 五月雨の合羽すれあふ大手かな 蓑を着て河内通ひや夏の雨 清水ある家の施薬や健
胃散 雨雲の摩耶を離れぬ卯月かな 大沼や蘆を離るゝ五月雲 短夜や蓬の上の二十日月....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
。売れてみると、薬九層倍以上だ。 たちまち丹造の欲がふくれて、肺病特効薬のほか
胃散、痔の薬、脚気良薬、花柳病特効薬、目薬など、あらゆる種類の薬の製造を思い立っ....