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「胃潰瘍〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

胃潰瘍の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
人間失格」より 著者:太宰治
思いがけなく故郷の長兄が、ヒラメを連れて自分を引き取りにやって来て、父が先月末に胃潰瘍《いかいよう》でなくなったこと、自分たちはもうお前の過去は問わぬ、生活の心....
変な音」より 著者:夏目漱石
一人は食道癌《しょくどうがん》であった。一人は胃癌《いがん》であった、残る一人は胃潰瘍《いかいよう》であった。みんな長くは持たない人ばかりだそうですと看護婦は彼....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
病体の時、弟の病は気になる。 ◯荒木夫人、田中君を養子に迎える件を白紙に戻して、胃潰瘍をなおすために、甲州下部温泉へ向う。 十一月十八日 ◯岡東弥生さん、飯田....
柿の種」より 著者:寺田寅彦
記憶している。 この幼時に見た珍しい見世物の記憶が、それから三十余年後に自分が胃潰瘍にかかって床についていたときに、ふいと忘却の闇から浮かび上がって来た。 ....
破片」より 著者:寺田寅彦
無名指の爪が矢筈形に延びたりするので、どうもおかしいと思っていたら、そのころから胃潰瘍にかかって絶えず軽微な内出血があるのを少しも知らずにいたのであった。 有....
年賀状」より 著者:寺田寅彦
年賀状 寺田寅彦 友人|鵜照君、明けて五十二歳、職業は科学的小説家、持病は胃潰瘍である。 彼は子供の時分から「新年」というものに対する恐怖に似たあるもの....
埋もれた漱石伝記資料」より 著者:寺田寅彦
中に他の大事な手紙と一緒に仕舞い込んでおいた。 ところが、その後間もなく自分は胃潰瘍にかかって職を休んで引籠ってしまったので、教室の自分の部屋は全くそのままに....
病中記」より 著者:寺田寅彦
の医者だそうな。)脈を取ったり血を検査したりしたが、別に何も云わないから、自分で胃潰瘍だという事を話して吐血前の容体を云おうとしたが声を出す力がなくて、その上に....
山の秋」より 著者:高村光太郎
る。そんなのでも村の人たちは酔を求めて浴びるようにのむから、山村の人たちの間では胃潰瘍が非常に多い。胃ぶくろに孔があいて多くの人が毎年死ぬ。酒なしには農家の仕事....
自作肖像漫談」より 著者:高村光太郎
い出しても戦慄を感ずる。智恵子は到頭自宅に置けないほどの狂燥状態となり、一方父は胃潰瘍となり、その年父は死去し、智恵子は転地先の九十九里浜で完全な狂人になってし....
智恵子の半生」より 著者:高村光太郎
せ、オバホルモンなどを服用させていた。私は一週一度汽車で訪ねた。昭和九年私の父が胃潰瘍で大学病院に入院、退院後十月十日に他界した。彼女は海岸で身体は丈夫になり朦....
麺くひ」より 著者:桂三木助
お金だけ払って帰り度くなる時が有る。喰べて見たら存外旨いそばの時には尚口惜しい。胃潰瘍の手術後、未だ思うように量が食えないことが何より残念です。特に「もり蕎麦」....
寺田先生の追憶」より 著者:中谷宇吉郎
あって、一緒にその水素の実験をやるようにと先生から言いつけられた。 先生は例の胃潰瘍《いかいよう》の大出血後ずっと学校を休んでおられて、三年ぶりか四年ぶりかで....
春泥」より 著者:久保田万太郎
み手とされていた大部屋のある男が、ある日、突然血を吐いて倒れた。それが酒から来た胃潰瘍。――そうした不治のやまいのわざと聞いてひそかにかれは慄然とした。――即日....
日本橋附近」より 著者:田山花袋
……。それに、別れ方があっけなかったもんですから……』 『何うしたんです?』 『胃潰瘍で、血を沢山吐いたりして、すぐでしたから』 『それは気の毒だったね』 『も....