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背中を向ける
「背中を向ける〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
背中を向けるの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「誘惑」より 著者:芥川竜之介
う。ナポレオンは手の平のまん中に立ち、ちょっとあたりを眺めた後、くるりとこちらへ
背中を向けると、手の平の外へ小便をする。
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前の山みち。「さん・....
「風船美人」より 著者:渡辺温
宝です。は、は、は、は……」 彼はそれからふいと慍ったような顔をして、くるりと
背中を向けると、再び双眼鏡を覗きはじめた。 だが、その後間もなく、私は途方もな....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
さんをおぶって、早く上り給え」
「デハ――もゆるサン……」
マドロスが無恰好の
背中を向けると、毛布を頭からすっぽりかぶったままの兵部の娘を、短身長剣が押しつけ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
って来て、 「お流し致しましょう」 「済まない」 手拭を渡して不破の関守氏が、
背中を向けると、その三助の流しぶりが変っているのに気がつきます。この三助は、背中....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
の言葉とがチャンポンに出る。 「もっとよく、こちらを向いて見な」 「はい、はい」
背中を向けると、若い船頭の印絆纏《しるしばんてん》―― 「ゆききんのぶみよ」 ....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
にしてやって下せえ。」 シルヴァーは、一度ここへ出て来て仲間の者と丸太小屋とに
背中を向けると、人間が変ってしまった。頬までがこけたように思われ、声が震えていた....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
を聾者《ろうしゃ》にし愚昧《ぐまい》にする繁栄、ある者らにあっては苦しめる人々に
背中を向けるほどの、苦痛の恐れ、頑迷《がんめい》な満足、魂の口をふさぐほどふくれ....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
であるが、――それらの性質が、向かってくる攻撃に対して、度し難い頑固さでくるりと
背中を向けるだけの力を、彼女に与えたという点にあるのだった。 当時の信心深い人....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
己は認めて遣さぬぞ。
憂
いえ。わたしがすばやく咀って置いて、
あなたに
背中を向けるとき、わたしの力をお験下さい。
一体人間は生涯|盲でいるものです。
....