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背中合せ
「背中合せ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
背中合せの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春」より 著者:芥川竜之介
にあたりを眺めまわした。リノリウムの床《ゆか》には何脚《なんきゃく》かのベンチも
背中合せに並んでいた。けれどもそこに腰をかけるのは却《かえ》って人目《ひとめ》に....
「星座」より 著者:有島武郎
染《しみ》がところどころにできている。象の形、スカンディナヴィヤ半島のようにも、
背中合せの二匹の犬のようにも見える形、腕のつけ根に起き上り小法師《こぼし》の喰い....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
たものの、彼はもう主人の胸倉を掴んで引き摺って帰りたいようにもいらいらして来た。
背中合せの松飾りはまだ見えなかったが、家々の籬《まがき》のうちには炉を切って、新....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
る。 板廊下を一つ隔てて、そこに四畳半があるのに、床が敷いてあって、小児が二人
背中合せに枕して、真中に透いた処がある。乳母が両方を向いて寝かし附けたらしいが、....
「河明り」より 著者:岡本かの子
ます。じゃ、こちらの部屋をお貸しいたしましょう」と更めて決心でもした様子でそれと
背中合せの、さっき塞っているといった奥の河沿いの部屋へ連れて行った。 その部屋....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
た方の壁側には、三尺ほどの台上に、裸体の傴僂と有名な立法者(埃及彫像)の跏像とが
背中合せをしていて、窓際寄りの一劃は高い衝立で仕切られ、その内側に、長椅子と二、....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
牲となるより他はなさそうに思われる。 防虫組織や飛行機などは、いかにも神秘境と
背中合せの近代文明という感じだが、ナイルの閉塞、イタリア機の連絡とは、じつに華や....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
れたりする、その間自分の番の来るのを待っている、シャモ箱だ。 しばらくすると、
背中合せのシャモ箱の方へも人がはいったような気はいがする。ぺちゃくちゃと女のらし....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
た。 「お爺様。」 と云う、提灯の柄が賽銭箱について、件の青狐の像と、しなった
背中合せにお町は老人の右へ行く。 「やあ、」 もっての外元気の可い声を掛けたが....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
に、目を外らした。 「その絵馬なんですわ、小県さん。」 起つと、坐ると、しかも
背中合せでも、狭い堂の中の一つ処で、気勢は通ずる。安達ヶ原の…… 「お誓さん、気....
「銀座は昔からハイカラな所」より 著者:淡島寒月
た。ですから数はたった二台しかありませんでした。馬は四頭立で車台は黒塗り、二階は
背中合せに腰掛けるようになっていて梯子は後部の車掌のいる所に附いていました。馭者....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
ならず、はては、二人のいずれがそうであるか、またその結合のし方も、胸かそれとも、
背中合せの薦骨のあたりではないか――とまで考えるようになってしまった。 まった....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
じて、左右から突出た山でとまる。橿原の奥深く、蒸し上るように低く霞の立つあたり、
背中合せが停車場で、その腹へ笛太鼓の、異様に響く音を籠めた。其処へ、遥かに瞳を通....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
画を描かせるから人からヤレコレいわれるようになったのを忘れたかと、それぎり二人は
背中合せとなった。ドッチも鼻梁の強い負け嫌いの天狗同志だから衝突するのは無理はな....
「深夜の客」より 著者:大倉燁子
して、騒ぎを大きくしてはならないと考えたので、彼女は黙っていた。 すると今度は
背中合せに腰掛けている若夫人が、役人風の夫にささやいているのが聞えた。 「停車場....