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背伸び
「背伸び〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
背伸びの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
無いから、 (俺か。) (それよ、)……と、気になる横柄な返事をして、もやもやと
背伸びをして立った……らしい、頭を擡げたのか、腰を起てたのか、上下同じほどに胴中....
「蠅男」より 著者:海野十三
と睡っていたかも知れない。彼は慌てて、宝塚の終点に下りて、電柱の側らで犬のような
背伸びをした。 それから彼は、太い籐のステッキをふりふり、新温泉の方へ歩いてい....
「三の字旅行会」より 著者:大阪圭吉
ている改札口へ、三時の急行の旅客達が、雪崩れのように殺到して来た。伝さんは、ふと
背伸びをして、旅客達のほうを眺め廻した。 今日の三の字旅行会のお客は、まだ二十....
「故郷を想う」より 著者:金史良
林檎の苗木や山葡萄の蔓がひとしお可憐だった。それに玄関際の壁という壁にはこれから
背伸びしようとするつたが這い廻っていた。秋に入りかけ花盛りが過ぎ出した頃、コスモ....
「獄中記」より 著者:大杉栄
あるらしくジャジャと音がする。板をもと通りに直して水道栓をひねって手を洗う。窓は
背伸びしてようやく目のところが届く高さに、幅三尺、高さ四尺くらいについている。ガ....
「四次元漂流」より 著者:海野十三
はしばらく続いたが、やがて研究ノートの最後の一冊を見終ると、両手を頭の上にあげて
背伸びをした。 「おい古島君。この書類を元のように包んでくれ。ひろげて中を見たと....
「橋」より 著者:池谷信三郎
れは、…… 困った、といった顔つきで店員が彼の身長をメートル法に換算した。彼は
背伸びをしたら、紐育の自由の女神が見えはすまいかというような感じだった。しばらく....
「露肆」より 著者:泉鏡花
が居る。 辻に黒山を築いた、が北風の通す、寒い背後から藪を押分けるように、杖で
背伸びをして、 「踊っとるは誰じゃ、何しとるかい。」 「へい、面白ずくに踊ってる....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
れから、彼は窓の障子をあけて、土蜘蛛の押絵をあちこちから眺めすかしていたが、突然
背伸びをして、右眼の膜を剥ぎ取った。 「ホホウ、恐ろしく贅沢なものだな。雲母が使....
「寡婦」より 著者:秋田滋
おどおどしていると、少年はやがて起ち上って、私よりも背丈が低かったので、爪さきで
背伸びをするようにして、私の耳もとに口を寄せると、私の名、それも呼名を、優しい、....
「旅への誘い」より 著者:織田作之助
人を見送る学友たちの一団ではないか。 道子はわくわくして、人ごみのうしろから、
背伸びをして覗いてみた。円形の陣の真中に、一人照れた顔で、固い姿勢のまま突っ立っ....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
と、扇子持つ手の甲を熟と重たげに観て、俯向いて言った。 「未熟ながら、天人が雲に
背伸びはしますまいが、この手首は白いどころか――六つ指に見えなければ可いと思うん....
「良寛様の書」より 著者:北大路魯山人
な、作り線であるかに見ゆるものである。それかあらぬか、力のかぎりを尽してその上に
背伸びまでしているところがある。見よとばかりの努力で出来た草書ではあろうが、著し....
「大きなかしの木」より 著者:小川未明
、この木の姿を目あてに、雲はるかのかなたから飛んでくると思うと、木はいっそう高く
背伸びをするように、夕日の中に輝いたのでした。 木は、無口で、そして、こんなに....
「わが町」より 著者:織田作之助
旗を持って立っているのを、境内いっぱいにひきまわした幕のうしろから、君枝の母親が
背伸びして覗いている顔が、偶然レンズにはいっている。未だ結婚前の写真らしく、そん....