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「背後〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

背後の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
る安価な妥協的思想もないことはない。実際彼は公衆に向ってこの煮え切らない調和説の背後に、彼の芸術に対する曖昧《あいまい》な態度を隠そうとしたこともある。 しか....
路上」より 著者:芥川竜之介
事――そう云ういろいろな消息に通じている俊助は、今また野村の帰郷を必要としている背後にも、どれほど複雑な問題が蟠《わだか》まっているか、略《ほぼ》想像出来るよう....
二つの道」より 著者:有島武郎
《すく》う術数である。 人を救う道ではない。 中庸の徳が説かれる所には、その背後に必ず一つの低級な目的が隠されている。それは群集の平和ということである。二つ....
想片」より 著者:有島武郎
たと称せられているけれども、もし私の理解が誤っていなかったならば、その唯物史観の背後には、力強い精神的要求が潜んでいたように見える。彼はその宣言の中に人々間の精....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
であって、一種の哲学的神秘主義の匂いをもったものである。その教えによると、世界の背後にはある捕えどころのない、名の付けようもない、無限の概念に該当する存在が控え....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
つまり斬り合いで勝負をつけるか、あるいは会戦をなるべくやらないで機動によって敵の背後に迫り、犠牲を少なくしつつ敵の領土を蚕食する。この二つの手段が主として採用さ....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
で統一の修行をして居りますと、急に躯がぶるぶると慓えるように感じました。何気なく背後を振り返って見ると、年の頃やや五十|許と見ゆる一人の女性が坐って居りました。....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
者とは、常にぴったり心の波長が合ったものである。かるが故に人間を観れば、大体その背後のものが判る。下らない人格の所有者に、立派な神霊の感応するようなことは絶対に....
「菊池寛全集」の序」より 著者:芥川竜之介
、――それは勿論彼の作品に、光彩を与えているのに相違ない。しかしわたしはそれらの背後に、もう一つ、――いや、それよりも遥かに意味の深い、興味のある特色を指摘した....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
その手に彼は専制君主の力を示す笏というべき鞭をふりかざしていた。正義の鞭は王座の背後の三本の釘にかけてあり、悪事をはたらくものを絶えず脅やかしていた。一方、彼の....
夜釣の怪」より 著者:池田輝方
から、何だろうかと思っていると、旋てその女郎屋の主人が、釣棹を悉皆纏めて、祖父の背後へやって来たそうです。それで、「もう早く帰ろう。」というんだそうです。 「今....
罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
ようとでも思うように、またある物を捜しているかと思うように。 フレンチは罪人の背後から腕が二本出るのを見た。しかしそれが誰の腕だか分からなかった。黒い筒袖を着....
浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
ができまするならば、中ソ友好同盟条約中にあるところの予想される日本軍国主義とその背後にある勢力にたいする軍事条項もおのずから必要はなくなると私どもは期待をするの....
私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
日を忘れるなと叫び、この日を“流血の金曜日”と名づけたものである。 この暴力の背後にひそむものは軍閥であり、その糸を引く警視庁、またそれを背景とする「縦横クラ....
茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
離れ離れになって終ったことも屡々あった。どうかするとつい近傍ではありながら、峰の背後などにいたため全く聴きとれないことなどもたまにはある。そうして帰り路に横道か....