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「背筋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

背筋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
妖婆」より 著者:芥川竜之介
云います。実際その時は総身の毛穴へ、ことごとく風がふきこんだかと思うほど、ぞっと背筋から寒くなって、息さえつまるような心もちだったのでしょう。いくら声を立てよう....
或る女」より 著者:有島武郎
がめられ、煩悩《ぼんのう》のために支離滅裂になった亡者《もうじゃ》の顔……葉子は背筋に一時に氷をあてられたようになって、身ぶるいしながら思わず鏡を手から落とした....
生きている腸」より 著者:海野十三
みだすと、外には素晴らしい歓喜と慰安とが、彼を待っていたのだ。彼の本能はにわかに背筋を伝わって洪水のように流れだした。彼は本能のおもむくままに、夜を徹し日を継い....
火星兵団」より 著者:海野十三
そのばかばかしいことが、ほんとうに起ったのである。佐々は、面くらった。そうして、背筋から冷水をざぶりとあびせかけられたような気がしたのであった。 「おれは、わけ....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
「あ、ブルー・チャイナ号! わしが沈めた汽船だ。さては、この連中は」 提督の背筋が急に冷たくなった。 「うっ、亡者ども、わしを海中へひっぱりこもうというのか....
みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
ははは。」 たちまちくるりとうしろ向きに、何か、もみじの散りかかる小紋の羽織の背筋を見せて、向うむきに、雪の遠山へ、やたらに叩頭をする姿で、うつむいて、 「お....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
し軽く、軒の蜘蛛の囲の大きなのに、はらりと乗って、水車に霧が懸った風情に見える。背筋の靡く、頸許のほの白さは、月に預けて際立たぬ。その月影は朧ながら、濃い黒髪は....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
たなりで裸で居ら。この、お稲さんに着せるんだよ。」 と青月代も前へ出て、雪女の背筋のあたりを冷たそうに、ひたりと叩いた…… 「前掛でなくては。不可いの?」 ....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
」――などとお時の声色をそのまま、手や肩へ貸本ぐるみしなだれかかる。女房がまた、背筋や袖をしなり、くなり、自由に揉まれながら、どうだい頬辺と膝へ、道士、逸人の面....
露肆」より 著者:泉鏡花
四 「お痛え、痛え、」 尾を撮んで、にょろりと引立てると、青黒い背筋が畝って、びくりと鎌首を擡げる発奮に、手術服という白いのを被ったのが、手を振....
星女郎」より 著者:泉鏡花
伏して、こうぐっと腕を掴まって、しがみついたという体で、それで※々と力なさそうに背筋を曲って、独鈷入の博多の扱帯が、一ツ絡って、ずるりと腰を辷った、少い女は、帯....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
れも女の幽霊が、ぬけ上った青い額と、縹色の細い頤を、ひょろひょろ毛から突出して、背筋を中反りに蜘蛛のような手とともに、ぶらりと下る仕掛けである。 「可厭な、あい....
寡婦」より 著者:秋田滋
親しげな、美しい声で「ジュヌヴィエーヴ」と囁くので、私は水でも浴せられたように、背筋がぞうッとしました。 私は口ごもりながら云ったのです。 「帰りましょう。さ....
瓜の涙」より 著者:泉鏡花
の濃く綺麗な処は初々しい。けれども、着がえのなさか、幾度も水を潜ったらしく、肘、背筋、折りかがみのあたりは、さらぬだに、あまり健康そうにはないのが、薄痩せて見え....
三枚続」より 著者:泉鏡花
ような調子で、光起に背を捻向けると、頸を伸して黒縮緬の羽織の裏、紅なるを片落しに背筋の斜に見ゆるまで、抜衣紋に辷らかした、肌の色の蒼白いのが、殊に干からびて、眉....