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背負い投げ
「背負い投げ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
背負い投げの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「如是我聞」より 著者:太宰治
く、そういう言葉に対して、少し言い返したいのである)作品の最後の一行に於て読者に
背負い投げを食わせるのは、あまりいい味のものでもなかろう。所謂「落ち」を、ひた隠....
「親子」より 著者:有島武郎
て行くのだった。思い入って急所を突くつもりらしく質問をしかけている父は、しばしば
背負い投げを食わされた形で、それでも念を押すように、 「はあそうですか。それでは....
「蠅男」より 著者:海野十三
たところを帆村はすかさず、さっと身をうしろに開いたから、大きなお竜の身体は見事に
背負い投げきまって、もんどりうって前に叩きつけられ、したたか腰骨を痛めた。それも....
「安重根」より 著者:谷譲次
さしい間諜の噂ぐらいではないぞ。(決然と)腹の底から引っくり返るようにやつらに、
背負い投げを食わしてやるのだ――。 と急ぎ去る。李剛は微笑を含んで見送っている。....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
夜。
利秋君が、富山の薬袋に米を一升持って来てくれる。この男には、何度も
背負い投げを食わしたけれど、私はこんなアナキストは嫌いなのだ。「貴女が死ぬほど好....
「渋谷家の始祖」より 著者:宮本百合子
ずにはいられなかった。 あんなに見えていながら、いざという土俵際で、巧く自分に
背負い投げを食わせた、真田奴! その呪咀の中には、心の底で一種の謙譲が保たれてい....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
これも同じく一種の変態性慾に囚われている処女……義妹の芬氏に引っかけられて美事な
背負い投げを一本喰わされると、その強烈深刻な刺戟から一ペンに切り離されてしまった....
「すり替え怪画」より 著者:海野十三
深い由緒に基く。賊の烏啼と探偵の袋とは、永年追駆けごっこをしているのだ。お互いに
背負い投げをいくども喰い、そしてにがい水をお互いにふんだんに呑ませ合った仲であっ....
「白い壁」より 著者:本庄陸男
期していたのだった。だがこの子供の返答は設定された軌道をくるりと逆行した。杉本は
背負い投げを喰わされたようにどきまぎした。「え? 何? なに?」と彼は繰りかえし....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
に対しても、臆面のない振舞に出るものだから、おのれのような失敗を――運命の神から
背負い投げを喰わされるのだ。……慚愧のいたりだ」 誰かに向って謝っているように....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
れまする」 「…………」 官兵衛は、茫然としてしまった。反対派の面々にまんまと
背負い投げを食わされたかたちとなった自己の忿懣よりは、それ程までにしなければ、御....
「近衛内閣の常識性」より 著者:戸坂潤
対策に期待した日本の無産者の一部分は、その後の国防絶対至上主義化によって見ごとに
背負い投げを食わされたが、政治家風の空頼みが今回国民に多少の期待を吹き込んだとい....