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「背負ってる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

背負ってるの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
姪子」より 著者:伊藤左千夫
まだ日が出なかった、松尾は県道筋について町めいてる処《ところ》へ樹木に富んだ岡を背負ってるから、屋敷構《やしきがまえ》から人の気心も純粋の百姓村とは少し違ってる....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
なにもないしょ話したんじゃねえんだぞ。つええんだッ。つええんだッ。草香流を背中に背負ってるんだから、手出しすりゃ、首根っこがそっぽへ向くぞ。出ろッ、出ろッ」 ....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
であった。 だが彼女は何者であろう? どういう身分の女だろう? 何故宿命を背負ってるのだろう? 誰も知ることは出来なかった。 そうして彼女も語らなかっ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
の隊もある。大牡丹、小牡丹、いれまざりだ。おまけに木綿の筒袖で、背中には犬の皮を背負ってる。さあ、みんな笑っちまって、そんな軍装の異様なことまでが一つ話にされる....
三人の相馬大作」より 著者:直木三十五
か。こんなお墓の石をもっていると、女の子に振られねえぜ。政公なんざ、石塔ぐるみ、背負ってるといいや」 「へん、背負っているのは、女の子だ」 「何を、借金と灸《き....
泣虫小僧」より 著者:林芙美子
行ったンだけど……」 「まア、背負って?」 「あの人が原稿売りに行く格好ったら、背負ってるって方が当ってるわよ、こう猫背でさア、背中の方へまで原稿詰めこんで、私....
紅玉」より 著者:泉鏡花
児二 構うもんか、何だって。 小児三 御覧よ、脊よりか高い、障子見たようなものを背負ってるから、凧が歩行いて来るようだ。 小児四 糸をつけて揚げる真似エしてやろ....
反抗」より 著者:豊島与志雄
す。余り考えすぎるからいけないんだとは知っていますけれど、隆ちゃんが始終暗い影を背負ってるように思われて仕方ありません。その影が……。」云ってるうちに周平は、持....
電車停留場」より 著者:豊島与志雄
眼付に籠めて、街路の有様を見送っていった。そこへ、車掌から言葉をかけられ、小僧が背負ってる行李の角で背中を突つかれ、車掌から肩を押され、ぐっと癪に障って、持ち前....
溺るるもの」より 著者:豊島与志雄
のこと――彼女の生涯のことを考えていた。 自分の新生活、それから、愛慾の世界を背負ってる売笑掃、それがいつのまにか、「片岡さん、喜代ちゃん。」と呼び交わす二人....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
がある晩、彼は酒場から出て、町はずれの街道で、数歩前のところに、例の梱《こり》を背負ってるゴットフリート叔父《おじ》のおかしな影を見つけた。数か月来、この小男は....
白藤」より 著者:豊島与志雄
。群衆のなかには、他国の兵士も見ましたし、また、長途の困難な旅行者のように荷物を背負ってる人々を見ました。そのほか、さまざまなものを見ました。 それらのものが....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
たが、織物の行商人は一目でたちまち判るものだ。上体の倍もあるような矩形の大包みを背負ってるから、きかなくとも分った。塀についてひろい庭を半周させるのが気の毒だか....
おせん」より 著者:邦枝完二
いだ」 いうまでもなく、祝儀や酒手の多寡ではなかった。当時江戸女の人気を一人で背負ってるような、笠森おせんを乗せた嬉しさは、駕籠屋仲間の誉れでもあろう。竹も仙....