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胎
「胎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
胎の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
薬をこしらえおったのは、おばばじゃ。わしの知った事ではない。」
「薬? では、堕
胎薬《おろしぐすり》だな。いくら阿呆でも、いやがる者をつかまえて、非道な事をする....
「河童」より 著者:芥川竜之介
もほかの河童のようにこの国へ生まれてくるかどうか、一応父親に尋ねられてから母親の
胎内を離れたのだよ。」
「しかし僕はふとした拍子に、この国へ転《ころ》げ落ちてし....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
《キリスト》の生涯を話した。衆徳《しゅうとく》備り給う処女《おとめ》マリヤに御受
胎《ごじゅたい》を告げに来た天使のことを、厩《うまや》の中の御降誕のことを、御降....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
、こう云う莫迦《ばか》げた命令を負わされているのも同じことである。
我我は母の
胎内にいた時、人生に処する道を学んだであろうか? しかも
胎内を離れるが早いか、兎....
「或る女」より 著者:有島武郎
胸に伝わって来た。その呼吸が一つ伝わるたびに、葉子の心は妙にめいって行った。同じ
胎《はら》を借りてこの世に生まれ出た二人《ふたり》の胸には、ひたと共鳴する不思議....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
の危害をも感ぜぬらしく見えるのは、一番恐ろしい運命の淵《ふち》に臨んでいる産婦と
胎児だけだった。二つの生命は昏々《こんこん》として死の方へ眠って行った。
丁度....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
った言葉だ。 「だれも気もつかず注意も払わない地球のすみっこで、尊い一つの魂が母
胎を破り出ようとして苦しんでいる」 私はそう思ったのだ。そう思うとこの地球とい....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
て、その一方に偏倚するのを最上の生活と決めこむような禁慾主義の義務律法はそこに胚
胎されるのではないか。又本能を現実のきびしさに於て受取らないで、センティメンタル....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
女の肉によらずして救主を孕み給いし如く、汝ら心の眼さときものは聖霊によりて諸善の
胎たるべし。肉の世の広きに恐るる事|勿れ。一度恐れざれば汝らは神の恩恵によりて心....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
れ、 やがて夜より※、と光の女神ヘメーラは生れぬ、 両つながらエレボスの至愛の受
胎によりて夜より生れたり。 されど地は最初に己が姿にかたどりて 彼の星をちりばめ....
「聖書」より 著者:生田春月
上に載せて、肱をもたげて半ば灰になった葉巻を支えながら、壁に掲げたロセッティの受
胎告知の絵の方をじっと見ていると、僕も丁度その真似をするように、同じく椅子の上に....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
、しかもそれが承久の乱、即ち日本が未曽有の国体の大難に際会したときに、お母さんの
胎内に受
胎された日蓮聖人が、承久の乱に疑問を懐きまして仏道に入り、ご自分が法華経....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
かと思うほどの、裸体の人形で、腰には赤の唐縮緬の腰巻をさして下からだんだん海女の
胎内に入るのです。入って見ると彼地此地に、十ヶ月の
胎児の見世物がありましたよ。私....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
って、人間として生れるということは絶対にないと言ってよい……。が、一人の幼児が母
胎に宿った時に、同一系統の竜神がその幼児の守護霊又は司配霊として働くことは決して....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
を駆って懐疑思想に導く。無信仰に誘う。人間の心のなかに暗い思想や死を念う気持を胚
胎させるものだ。私はそうした事実をこれまでに幾度となく認めて来た。今夜食べたもの....