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胎動
「胎動〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
胎動の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「空を飛ぶパラソル」より 著者:夢野久作
しい白地の博多帯をさぐってみると……どうだ……ムクリムクリ……ヒクリヒクリと蠢く
胎動がわかるではないか……たしかに姙娠五箇月以上である。なお序に、袂と、帯の間を....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
うに姙娠してしまったのである。乳首は黝ずみ、下腹部は歴然と膨らみ、この節ではもう
胎動をさえ感ずるようになった。婦人科医の診断もうけたが紛れもなく姙娠しているのだ....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
がだんだんと著しくなって来た。そうしてその年の暑中休暇に入ると間もなく、明らかに
胎動が感じられるようになったのであるが……しかも……この
胎動こそは、それから後二....
「新しい文学の誕生」より 著者:宮本百合子
と思うだろう。どんな感じがしただろう。 勤労して生きるすべての人の新しい文学の
胎動と可能のめざめは、この単純な、どんな感じがしたか、というところに源泉をもって....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
は到底、自由主義としては捉え得ないものなのだが。――一般に今日の自由主義は資本制
胎動期のデモクラシーとは異って、小市民の、而も多少とも知的能力に富んだ小市民層の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ました。湖南湖北を通じて、すさまじい百姓一揆勃発の気運が、今やハチ切れんばかりに
胎動している、いや
胎動ではない、もはや、宿々領々によっては爆発の暴動をあげてしま....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
でもなかったけれど、美しさでは一等でした。その美しさは、私の心の中に盛に流動し、
胎動している仕事の欲望とよく照応いたしますし、その上、その美しさをわたしがどうう....
「『地球盗難』の作者の言葉」より 著者:海野十三
着が近づきましたネ、科学小説時代! ――と。僕はそのとき、たしかに科学小説時代の
胎動を耳に捕えたのであった。 科学小説時代はいよいよ本舞台に入ろうとしている。....
「岩田豊雄と私」より 著者:岸田国士
、例の関東震災で東京の劇場はことごとく灰になつた。が、翌年の三月には早くも新劇の
胎動が始まつた。最も代表的なものはいうまでもなく築地小劇場の旗挙げであるが、その....
「アーニイ・パイルの前に立ちて」より 著者:小林一三
であることは自明の理である。 そこで、私はわが国放送局の事業に対し、当然革命的
胎動の起りうる機運を逸すべからざるを痛感した。帝劇こそ、正に、我々民間人の創設す....
「ハイカラ考」より 著者:木村荘八
なる明治以来の一つの言葉、従ってこれに裏づけとなる一つの世相史上のテーマは、その
胎動から誕生にかけての年代を「明治三十年」見当と見てよいことは、間違いでないと同....
「長崎の鐘」より 著者:永井隆
ぬ。私たちはやられたという悲嘆、憤慨、無念の胸の底から、新たなる真理探求の本能が
胎動を始めたのを覚えた。勃然として新鮮なる興味が荒涼たる原子野に湧き上がる。 ....
「澪標」より 著者:外村繁
運命を思い、とく子に贖罪的な、激しい愛を覚えた。 翌年になると、とく子は初めて
胎動を感じたと言う。とく子は晒を買って来て、腹帯を締めた。 「ほれ、ほれ、こない....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
あとの部分は世に残っていない。 しかし、以上の事柄だけでも、九州における武門の
胎動がほぼどんな形で世間に口火を切りだしたかはよく分る。 それと。――当時もな....