胚子[語句情報] » 胚子

「胚子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

胚子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
広津氏に答う」より 著者:有島武郎
青年男女が、あらゆる困難を排して、民衆の蒙を啓《ひら》くにつとめた。これが大事な胚子《はいし》となって、あのすばらしい世界革命がひき起こされたのだ。この場合ブル....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
われ来った既知の諸自然力の影響の下に宇宙の諸過程が自然的に進展するという学説)の胚子のようなものが認められること、またこの進化論と反対に超自然的の力の作用を仮定....
芝刈り」より 著者:寺田寅彦
へ「虫のお墓」を築いて花を供えたりして、そういう場合におとなの味わう機微な感情の胚子に類したものを味わっているらしく見える。子供が虫をつかまえたり、いじめたり殺....
ルクレチウスと科学」より 著者:寺田寅彦
九月号に出した「備忘録」の中で、生命の起元に関する未熟な私見を述べた際に、生命の胚子は結局原子そのものに付与するのが合理的であるという考えを述べておいた。これは....
春六題」より 著者:寺田寅彦
に運転する電子の系統を探っている。そうして同一物質の原子の中にある或る「個性」の胚子を認めんとしているものもある。化学的の分析と合成は次第に精微をきわめて驚くべ....
一つの思考実験」より 著者:寺田寅彦
らばできるだけほんとうの径路を科学的に書く事によってすべての人の頭の奥に潜む罪の胚子に警告を与えるようなものにしたい。しかしそういう例外な事件の記事よりも、日常....
空想日録」より 著者:寺田寅彦
中で繰り返し繰り返し思い起こしては感嘆するのであった。 人間その他多くの動物の胚子は始めは球形である。そうして、その一方が凹入して壺形になるのが発生の第一階段....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
先の父ぞ恋しき、というわけでもなかろうに」 「いや、人間は存在しなくとも、人間の胚子《はいし》、或いは精虫といったようなものは存在していたに相違ない。それが先天....
女性崇拝」より 著者:岡本かの子
民は少い。バーナード・ショウの如きも「人と超人」で、女性は魅力に依って男から種の胚子を奪い取り、次の時代の超人を造ろうとする自然の意図を無意識で執行する盲目の使....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
努力が現れている文学――このデュ・ガールのような。そして結局は後者が文学の成長の胚子を守るものですが、このデュ・ガールの人間の歴史性(箇人に現わされている歴史性....
雑記(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
にはぼんやり雲を眺めているそうである。そういう時に彼の頭には色々の独創的な考えの胚子が浮んで来るのらしい。彼はそういう|考えを書き止めておいては、それを丁寧に保....
断片(Ⅱ)」より 著者:寺田寅彦
含まれている。それを握んで明るみへ引出して展開させるとそこからまた次に来る世界の胚子が生れる。 それをするにはやはり前句に対する同情がなければ出来ない。どんな....
科学上の骨董趣味と温故知新」より 著者:寺田寅彦
闢説でも古い形而上学者の頭の中に彷徨していた幻像に脈絡を通じている。ガス分子論の胚子はルクレチウスの夢みた所である。ニュートンの微粒子説は倒れたが、これに代るべ....
夏目先生の俳句と漢詩」より 著者:寺田寅彦
はないかと思う事がいろいろある。少なくも晩年の作品の中に現われている色々のものの胚子がこの短い詩形の中に多分に含まれている事だけは確実である。 俳句とは如何な....
大岡越前」より 著者:吉川英治
政治のもとに、お袖という悲命な運命児も生れ、お燕という陽なたを知らない宿命の花の胚子もこぼされ、大亀だの、阿能十だの、三平だの、お島だのという誇悪と社会反逆を快....