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胚芽
「胚芽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
胚芽の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
奇妙なことにはこの科学の一分派の発達はそれ自身の中に永劫の原理に対する否定の
胚芽を含んでいるのである。熱学理論の帰結としては、熱は自分だけでは(すなわち、そ....
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
らゆる生命を焼き尽くされたと思われる焦土の上に、早くも盛り返して来る新しい生命の
胚芽の先駆者であった。 三、四日たつと、焼けた芝生はもう青くなり、しゅろ竹や蘇....
「あひると猿」より 著者:寺田寅彦
て、もうそろそろ一人前の鴨羽に近い色彩の発現が見える。小さなブーメラング形の翼の
胚芽の代わりにもう日本語で羽根と名のつけられる程度のものが発生している。しかしま....
「化け物の進化」より 著者:寺田寅彦
書は往々にしてそれ自身の本来の目的を裏切って被教育者の中に芽ばえつつある科学者の
胚芽を殺す場合がありはしないかと思われる。実は非常に不可思議で、だれにもほんとう....
「ルクレチウスと科学」より 著者:寺田寅彦
ぜい骨折って「物の中心の隠れた心核を見るためのかなたよりの光」を伝え、物の最初の
胚芽たる元子について物語ろうというのである。 そういう事を自分が論ずるのは神を....
「神話と地球物理学」より 著者:寺田寅彦
の国曳きの神話でも、単に無稽な神仙譚ばかりではなくて、何かしらその中に或る事実の
胚芽を含んでいるかもしれないという想像を起こさせるのである。あるいはまた、二つの....
「銀座アルプス」より 著者:寺田寅彦
い。これは言わば細胞組織の百貨店であって、後年のデパートメントストアの予想であり
胚芽のようなものであったが、結局はやはり小売り商の集団的|蜂窩あるいは珊瑚礁のよ....
「自由画稿」より 著者:寺田寅彦
な既知の方則が普遍的な背景として控えており、またその上に数限りもない未知の問題の
胚芽《はいが》が必ず含まれているのである。それで一見いわゆるはなはだしく末梢的《....
「俳句の精神」より 著者:寺田寅彦
で、いろいろの字数の句が錯雑している。そうしてその錯雑した中に七五あるいは五七の
胚芽のようなものが至るところに散点していることが認められる。それがいつとはなしに....
「大阪を歩く」より 著者:直木三十五
、落語は日に日に古臭くなって行き、漫談はもう一転換したなら遥に落語を圧倒する丈の
胚芽《はいが》を含んできた。 私は大阪のこうした人々がいい素質をもち乍《なが》....
「百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
げた穀を精米所へやって搗かせるのでは徹底しない、砂を入れて搗くとか、ゴムロールは
胚芽の精分をすっかり磨りつぶして死米としてしまうとか、そういう事は別として、搗き....
「明治三十二年頃」より 著者:寺田寅彦
短文のようなものなども、後に『ホトトギス』の専売になった「写生文」と称するものの
胚芽の一つとして見ることも出来はしないかという気がする。少なくも自分だけの場合に....
「夢判断」より 著者:寺田寅彦
たが、何だかうなされて唸っていたそうである。 これも前日か前々日の体験中に夢の
胚芽らしいものが見付かる。食卓でちょっと持出されたダンテ魔術団の話と、友人と合奏....
「学位について」より 著者:寺田寅彦
解答が一般に知られていないということが、学位をめぐるあらゆる不都合な事件の発生の
胚芽となり、従っては一国の学術の健全な発達を妨害する一つの素因ともなり得るかと思....
「生前身後の事」より 著者:中里介山
時節柄、大菩薩峠と新聞掲載の歴史に就いて思い出話を語って見よう。 大菩薩峠の
胚芽《はいが》は余が幼少時代から存していた処であるが、その構想は明治の末であり、....