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「胡麻竹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

胡麻竹の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
春の夜」より 著者:芥川竜之介
り茂っていたためである。実際その夥《おびただ》しい木賊はNさんの言葉に従えば、「胡麻竹《ごまだけ》を打った濡《ぬ》れ縁さえ突き上げるように」茂っていた。 女隠....
永日小品」より 著者:夏目漱石
しま》で包まれている。長い袖を三寸余も縁《えん》に牽《ひ》いた。これは頭より高い胡麻竹《ごまだけ》の杖《つえ》を突いて来た。杖の先には光を帯びた鳥の羽《は》をふ....
道草」より 著者:夏目漱石
うちにある一つを択《え》り出して入れた。それからその額を環《かん》の着いた細長い胡麻竹《ごまだけ》の下へ振《ぶ》ら下げて、床の間の釘《くぎ》へ懸けた。竹に丸味が....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
物をくれたというふうに、男持ちとしてはわりかた骨細にできた京風の扇の形をながめ、胡麻竹の骨の上にあしらってある紙の色の薄紫と灰色の調和をも好ましそうにながめて、....
魔都」より 著者:久生十蘭
れ、夏ならば昼間から虫の音が聞こえようという荒れ方。その隅にショボショボと生えた胡麻竹が風に揺られている有様なんていうものは、これが東京丸の内の地内かと怪しまれ....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
さがった小粋な大坂格子。ちょっとした濡灯籠《ぬれどうろう》があって、そのそばに、胡麻竹が七八本。 入口が漆喰《たたき》で、いきなり三畳。次が、五畳半に八畳六畳....
金狼」より 著者:久生十蘭
くしょう……」 もう、人間のような顔をしていなかった。 8 ひと束ほどの庭の胡麻竹が、省線が通るたびにサヤサヤと揺れる。新宿劇場の近くで、〈磯なれ〉という小....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
姫鱒《ひめます》を釣りますには鋼鉄製の英国ふうの釣竿より、どうも日本《おくに》の胡麻竹の釣竿の方が……」とか思いもかけぬ訊問の奇襲にあうによって、コン吉の市中の....
五重塔」より 著者:幸田露伴
玉の兄きがところへ遊びに行たとお吉帰らば云うておけ、と草履つっかけ出合いがしら、胡麻竹の杖とぼとぼと焼痕のある提灯片手、老いの歩みの見る目笑止にへの字なりして此....