胴乱[語句情報] » 胴乱

「胴乱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

胴乱の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
二十世紀旗手」より 著者:太宰治
まも、私やっぱり一村童、大正十年、カメラ珍らしく、カメラ納めた黒鞁《くろかわ》の胴乱《どうらん》、もじもじ恥じらいつつも、ぼくに持たせて、とたのんで肩にかつがせ....
おしゃれ童子」より 著者:太宰治
仲々《なかなか》むずかしく、やけくそになって、ズボンの寝押しも怠り、靴も磨かず、胴乱《どうらん》をだらんとさげて、わざと猫背になって歩きました。そのときの猫背が....
業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
にありませんでも取寄せて御覧に入れます」 士「提物《さげもの》が欲しいと思うが胴乱《どうらん》の様な物はないか」 友「左様でげす、丁度良い塩梅《あんばい》の....
高野聖」より 著者:泉鏡花
おやじ》がある。 背戸《せど》から廻って来たらしい、草鞋を穿《は》いたなりで、胴乱《どうらん》の根付《ねつけ》を紐長《ひもなが》にぶらりと提《さ》げ、銜煙管《....
刻々」より 著者:宮本百合子
圧と闘いながら読書している革命家の姿を示している。 工場や集団農場から樺の木の胴乱を下げてやって来た労働者農民男女の見学団は、賑やかに討論したり笑ったりしなが....
椰子蟹」より 著者:宮原晃一郎
。見れば半分裸のこの島の土人が四五人と、何か長い竿《さお》の先に丸い網をつけて、胴乱《どうらん》をさげた洋服姿の人が二人立って、木の上を見上げては指《ゆびさ》し....
薬草取」より 著者:泉鏡花
う。疾く白媼が家へ行かっしゃい、借がなくば、此処へ馬を繋ぐではないと、馬士は腰の胴乱に煙管をぐっと突込んだ。 そこで裸体で手を曳かれて、土間の隅を抜けて、隣家....
山の怪」より 著者:田中貢太郎
、手探りで係蹄を仕掛け、傍の岩の陰へ腰をおろして肩にしていた鉄砲を立て掛け、腰の胴乱から煙管を出して煙草を詰め、火縄の火を移して静に煙草を喫みながら獣の来るのを....
喫煙四十年」より 著者:寺田寅彦
恰好をした煙草入れに真鍮の鉈豆煙管を買ってもらって得意になっていた。それからまた胴乱と云って桐の木を刳り抜いて印籠形にした煙草入れを竹の煙管筒にぶら下げたのを腰....
後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
かにお前が蟠龍軒に売った品か」 友「えゝ、こりゃア私が仕立てました、高麗青皮の胴乱、金具は趙雲の円形、後藤宗乘の作、確かにも/\外に二つとない品でござります、....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
草盆。書見台の上には『雨月物語《うげつものがたり》』。乱れ籠には、小間物の入った胴乱《どうらん》から鼻紙にいたるまで、なにからなにまで揃っている。 顎十郎は、....
若き日の思い出」より 著者:牧野富太郎
った。吸水紙は無論のこと、押板、圧搾《あっさく》用の鉄の螺旋器また無論大形の採集胴乱根掘り器などいろいろな必要器を持って行った。 三河の国、高師ガ原を採集した....
手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
毬も名があります。煙草の道具を売る店を時折見かけますが、旅の者の目を悦ばせます。胴乱だとか煙管筒だとか、色々の種類を並べますが、中で注意すべきは紙縒細工で、黒塗....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
いて、渋染の袖無。あれからすぐ夫婦して大坂を立ち、道中の路銀とてないので飴売りの胴乱をかけて、子の乳となる妻の糧を、一銭二銭と働きながら、きょうやっと、小倉まで....
野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
っているが、この通り古い時代から既に巾着はダラであったので、それは革で作ったのを胴乱などというのと同じ心持から、元はだらりと垂れるからの名だったろうと思う。雀の....