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「胴巻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

胴巻の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
報恩記」より 著者:芥川竜之介
りません。すると甚内は云わない先に、わたしの心を読んだのでございましょう、悠々と胴巻《どうまき》をほどきながら、炉《ろ》の前へ金包《かねづつ》みを並べました。 ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
門はまだ息が通っていたが、その懐中《ふところ》の財布は紛失していた。大事の路用は胴巻に入れて肌に着けていたので、これは無難であった。財布には小出しの銭を入れて置....
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
。 治六はじっと俯向いて聴いていたが、やがて肌に着けていた鬱金《うこん》木綿の胴巻から三両の金を振り出して亭主の前にならべた。 「旦那さまの二月分の勘定という....
恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
うと、急に人を殺した恐怖を感じて、一刻もいたたまらないように思った。彼は、二人の胴巻と衣類とを奪うと、あたふたとしてその場から一散に逃れた。彼は、今まで十人に余....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ら、臨機応変でいいように頼むよ」 内証で渡された百両と、表向きの二百五十両とを胴巻に入れて、忠三郎は森川宿へ急いで行った。用人に逢って先ず半金のかけあいに及ぶ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ったのですが、こいつよくよく悪い奴で、なんでも中仙道を行く途中、熊谷の宿屋で男の胴巻をひっさらって姿を隠してしまったんです。捨てられた男は一人ぼっちになって信州....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
多吉の話によると、裏二階に泊った駿府(静岡)の商人の二人づれが何者にか殺されて、胴巻の金を盗まれたというのであった。一人は寝ているところを一と突きに喉を刺された....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
には別に記すべき事もなかった。ただ彼の澹山が諸方から少なからず画料を貰って、その胴巻がよほど膨れて来たのと、娘のおげんと特に親しみを増したのと、この二ヵ条のほか....
聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
尿を洩らしているだけで、外傷はもちろん軽微な皮下出血の跡さえ見られない。が、腹の胴巻には札らしい形がムックリ盛り上っている。 「これです。」ルキーンは忌々し気に....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
指のさきで嘗めながら、まわしのみの煽っきり。 天下晴れて、財布の紐を外すやら、胴巻を解くやらして、賭博をはじめますと、お船頭が黙ってはおりませぬ。」 「叱言を....
良夜」より 著者:饗庭篁村
た東京へ着して三四ヶ月の分とて三十円、母が縫いて与えられし腹帯と見ゆる鬱金木綿の胴巻に入れて膚にしっかと着けたり。学校の教師朋友などが送別の意を表して墨画の蘭竹....
入れ札」より 著者:菊池寛
でもなったと聞いたら、線香の一本でも上げてくれ!」 忠次は、元気にそう云うと、胴巻の中から、五十両包みを、三つ取り出して、熊笹の上に、ずしりと投げ出した。 ....
三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
児を包んでいる美しい布を解いて見ました。すると、赤児の腹のところに、三角にくけた胴巻が巻きつけてありました。伊作は赤児の泣くのも耳に入らないと言うように、その財....
俗臭」より 著者:織田作之助
かったが、女の肌ざわりよりも紙幣の肌ざわりの方がよかった。一枚々々皺をのばして、胴巻きにしまっているものを、見す/\あっという間の快楽のために失ってなるものか。....
妖影」より 著者:大倉燁子
ボーイに案内してもらって、自分の室へ入ると急いで中から鍵をかけた。 洋服を脱ぎ胴巻をとって改めて見たが、大切な暗号はどこにもない。大変だ! かあッとして全身の....