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胴間
「胴間〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
胴間の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二十世紀旗手」より 著者:太宰治
げて、「ああ、また、また、五年は水の底、ふたたびお眼にかかれますかどうか。」神の
胴間声《どうまごえ》、「用意!」「こいしくば、たずねきてみよ、みずの底、ああ、せ....
「乞食学生」より 著者:太宰治
ん」(アルト・ハイデルベルヒ) 歌っているのは、私だけであった。調子はずれの
胴間声《どうまごえ》で、臆《おく》することなく呶鳴《どな》り散らしていたのだが、....
「二百十日」より 著者:夏目漱石
るんじゃないよう。おれがそっちへ行くから、そこで待っているんだよう」 圭さんの
胴間声《どうまごえ》は地面のなかを通って、だんだん近づいて来る。 「おい、落ちた....
「坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
んな送別会なら、開いてもらわない方がよっぽどましだ。 しばらくしたら、めいめい
胴間声《どうまごえ》を出して何か唄《うた》い始めた。おれの前へ来た一人の芸者が、....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
ただならぬ物音を立てて死物狂いの吾輩の魂をさえ寒からしめた。
「泥棒!」と主人は
胴間声《どうまごえ》を張り上げて寝室から飛び出して来る。見ると片手にはランプを提....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
したが、これも忽ちふさがってしまった。 酒盃のカチ合う音、酔いのまわった紳士の
胴間声、それにジャズの喧噪な楽の音が交りただもう頭の中がワンワンいうのであった。....
「惜別」より 著者:太宰治
実に何とも下手くそなのである。歌っているのは、子供でない。たしかに大人の、異様な
胴間声である。まことに驚くべき歌声であった。私も小学校の頃から唱歌は、どうも苦手....
「鉄面皮」より 著者:太宰治
しい色白の義経を胸に画いてみたり、阪東妻三郎が扮するところの織田信長を見て、その
胴間声に圧倒され、まさに信長とはかくの如きものかと、まさか、でも、それはあり得る....
「華々しき瞬間」より 著者:久坂葉子
けた演奏にあわせて、「いつかどこかで」を唄い出した。時折酔った御客が舞台へあがり
胴間声をはりあげる例はあるが、婦人のたぐいはおそらく始めてなのであろう。バンドは....
「青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
カッコウだのホトトギスだの山鳩がないている。私はそんなものよりも青鬼の調子外れの
胴間声が好きだ。私はニッコリして彼に腕をさしだすだろう。すべてが、なんて退屈だろ....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
わいだ。しかし、そのとき、 「オ、オーイ。医者! 医者をよんでくれ!」 大きな
胴間声が起ったのは、お梨江をとりまいた人群れから遠く離れた一角であった。 人々....
「ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
のセルゲイ・フィリップィチの奴は、さらりと秋の捨て扇だ。すごすご裏庭へ退散して、
胴間声の歌の仲間入りでもして、納戸の軒から指をくわえて、カテリーナ・イリヴォーヴ....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
って来た藤吉彦兵衛の二人は、狭い流し元で朝飯の支度をしていた勘弁勘次の途法もない
胴間声で、格子戸を開けるとすぐまず驚かされた。 「すまねえ。」 と勘次は火吹竹....
「富籤」より 著者:神西清
いような、妙に甘ったるい気持がした。 「マーシャ、あったぞ、九四九九が!」と彼は
胴間声をあげた。 細君は彼のびっくりしたような呆れ返ったような顔をじろじろ眺め....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
死せりさ。ふん。」 「若え、若え、そういったもんでねえ。」と、またどの爺さんだか
胴間声をかっ飛ばした。 いわゆる微苦笑が私の頬にのぼった。 「どうしたんだい。....