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胸
「胸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
胸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
の方を向いて、仰有《おっしゃ》いました。
すると二人の御姫様は、一度に御父様の
胸に御すがりになりながら、
「私《わたし》たちを助けましたのは、髪長彦でございま....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
合わない、滑《なめらか》な調子で、こう云った。幾分か乱されはしたものの、まだ彼の
胸底には、さっきの満足の情が、暖く流れていたからであろう。
「いや、そう云う訳で....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
う》は、夏外套《なつがいとう》をひっかけたまま、うす暗い梯子《はしご》の上り口へ
胸まで覗《のぞ》かせているだけだった。
「どうもお律《りつ》の容態《ようだい》が....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
ぐれて甘《うまし》くまします天上の妃《きさき》」と同じ母になったのである。神父は
胸を反《そ》らせながら、快活に女へ話しかけた。
「御安心なさい。病もたいていわか....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
とみ》は確かに待ちに待った瞳だった。
「あなた!」
常子はこう叫びながら、夫の
胸へ縋《すが》ろうとした。けれども一足《ひとあし》出すが早いか、熱鉄《ねってつ》....
「運」より 著者:芥川竜之介
なく、並べてあると云うじゃございませぬか。これにはああ云う気丈な娘でも、思わず肚
胸《とむね》をついたそうでございます。
「物にもよりますが、こんな財物《たから》....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
から」 「そうか。じゃ間違いのないように、――」 印度人の婆さんは、得意そうに
胸を反らせました。 「私の占いは五十年来、一度も外れたことはないのですよ。何しろ....
「狂女」より 著者:秋田滋
それを見ると、突如として例の狂女の記憶が、拳固でどんと突かれでもしたように、僕の
胸のなかに蘇って来た。あの忌わしい年のことだ、この森のなかで命を落した者は、あの....
「墓」より 著者:秋田滋
の心を揺ぶるのでした。自分の掌のなかに彼女の手を把り緊めていると、わたくしのこの
胸には、それまで想像だもしなかったほどの愉しい気持ちが漲って来るのでした。彼女の....
「初雪」より 著者:秋田滋
と、彼女はまたにっこり笑った。そして、蝕まれた肺のなかに、芳ばしい花園のかおりを
胸一ぱい吸い込むのだった。 そうして彼女はその思い出の糸を手繰りながら、じッと....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
。この頃の考えには学者政治家などという区別の考えはなく、豪傑英雄という字のみ予が
胸にはありしなり。さりければなおさらに学問を励み、新たに来る教師には難問をかけて....
「寡婦」より 著者:秋田滋
なこれがもとなんです。私がまだごく若かった頃のことで、そのことを想うと、いまだに
胸が一ぱいになって、考えるたびに私は泣きだしてしまうのです」 居合わせた人たち....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
女は、祖母の祖母がオランダのザールダムから持ってきた純金の装身具をつけ、昔の粋な
胸かざりをつけ、さらに男性の
胸をときめかすような短いスカートをはき、この界隈きっ....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
似ていた。彼がおぼえている、まだ若かった頃の父親の顔にも似ていた。年老いた夫婦は
胸が一ぱいになって、もう口が利けなかった。三人連れの男女が降りて来て、玄関を出よ....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
人たちに名誉を与えている。彼等の体を金と輝かしい服で飾り、頭には鳥の羽を頂かせ、
胸には飾りをつけさせる。われわれは、勳章や、褒美や位階などを彼等に与える。彼等は....