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胸が躍る
「胸が躍る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
胸が躍るの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
ら、随分|飜然と露れ兼ねない。 いざ、露れた場合には……と主税は冷汗になって、
胸が躍る。 あいにく例のように話しもしないで、ずかずか酒井が歩行いたので、とこ....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
、わしと一緒じゃで、此家《ここ》では今夜も伴《つ》れと思うている」
雪之丞は、
胸が躍るような気持がした。自分の、ほんのちょいとした暗示から、百年の親友が、一朝....
「幽霊船の秘密」より 著者:海野十三
短刀を腰にさしている。あと舷側まで、ほんの一伸びだ。おそれているわけではないが、
胸が躍る。局長は、ひょいと身体をかるく浮かして、舷側に手をかけた。そしてしずかに....
「流線間諜」より 著者:海野十三
その赤外線写真が、問題のボゴビ町とラザレフ岬とを一緒に撮ったものだと聞くだに
胸が躍るのに、しかも壁一杯に貼りつけられた沢山の写真は毎日毎日撮影されたもので、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
行ってまいります」 お松があたふたと出て行ったその後で、駒井甚三郎は、なんだか
胸が躍るように思いました。が、また思い返してみると、それはあんまりお誂向《あつら....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
)を言おうとすると、溜息になってしまう。蚊帳が煽るか、衾が揺れるか、畳が動くか、
胸が躍るか。膝を組み緊めて、肩を抱いても、びくびくと身内が震えて、乱れた褄もはら....
「お久美さんと其の周囲」より 著者:宮本百合子
お久美さんの体の中には先にもまして熟れたリンゴの様な薫りが籠って居る様で、※子は
胸が躍る様な気持になりながら麗々しい髪の一筋一筋から白い三日月の出て居る爪先まで....
「魔都」より 著者:久生十蘭
ある。そして夕陽新聞の古市加十の名は一躍して斯界に轟きわたるのである。と思うだに
胸が躍る。
加十は一種昂然たる面持で、
「よしよし、このネタだけはどんなことが....
「髪あかきダフウト」より 著者:マクラウドフィオナ
ては風だ! 風のようにむなしく、風のように空虚だ」グラッドロンが叫んだ。 彼は
胸が躍るばかりに美しいと思ったその女はほかならぬ自分の娘ダフウトであると知った、....