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「胸に響く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

胸に響くの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
国貞えがく」より 著者:泉鏡花
屋の前を通ると、あの、蜘蛛大名《くもだいみょう》が庄屋をすると、可怪《あや》しく胸に響くのであった。 まだ、その蜘蛛大名の一座に、胴の太い、脚の短い、芋虫《い....
硝子戸の中」より 著者:夏目漱石
つかない、継続中のものがいくらでも潜《ひそ》んでいるのではなかろうか。もし彼らの胸に響くような大きな音で、それが一度に破裂したら、彼らははたしてどう思うだろう。....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
の聖書でございますよ。読むでもなくつい見ていますと、ちょいとした文句が、こう妙に胸に響くような心地がしましてね――それはこの書にも符号をつけて置きましたが――そ....
新版 放浪記」より 著者:林芙美子
でひとりで辿《たど》って来た情熱を考えると、泣き出したいだろうお君さんの気持ちが胸に響くなり。 「あの子と一緒に間借りでもしようかとも思うのよ、でも折角、父親が....
売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
んですよ。――私に……私……ええ、それが私に恥かしくって、――」 その乳の震が胸に響く。 「何の塩煎餅の二枚ぐらい、貴方が掏賊でも構やしない――私はね、あの。....
森の絵」より 著者:寺田寅彦
面から流れ出て、森の香は薫り、鵯の叫びを聞くような気がする。その外にまだなんだか胸に響くような鋭い喜びと悲しみの念が湧いて来る。 二十年前の我家のすぐ隣りは叔....
日記」より 著者:宮本百合子
庭を掃除するAの後について、犬のように歩き廻った。 山縣さんの死は、実に我々の胸に響くことが少い。ちっともそれに対して動かされる熱意がないから、大隈さんの時と....
中支遊記」より 著者:上村松園
案じ続けていられる心遣いが私のような者の上にも泌みでるように出たお言葉であろうと胸に響くものがあった。大将こそ身体を御大切に、ついそう念じないではいられなかった....
露伴の出世咄」より 著者:内田魯庵
して、読んだ時は面白さに浮れて夢中となったが、その面白味は手品を見るような感興で胸に響くものはなかった。が、『風流仏』を読んだ時は読終って暫らくは恍然として珠運....