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胸を撫で下ろす
「胸を撫で下ろす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
胸を撫で下ろすの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「季節の植物帳」より 著者:佐左木俊郎
い木です。いや人間が梅の木につきまとうのかも知れません。路に迷った旅人が、ほっと
胸を撫で下ろすのも梅の香りです。それだけ梅の木は人間と密接で、人の世の古い歴史を....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
しが預かってありますから」 「あ、そうか、それはよかった」 米友はホッと安心の
胸を撫で下ろすのを、女は笑って、 「意気地のない人だねえ、女を見て、あんなに逃げ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
でしたか」 「そんなことはいいやしませんよ」 「それで安心……」 金助は大仰に
胸を撫で下ろす真似をしながら、ソロソロと上り込みました。 この野郎も、おっちょ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
で、刀を引きました。 「おどかすなよ、ほんとうに」 丸山勇仙は、ホッと安心して
胸を撫で下ろす。刀を鞘《さや》に納めた仏頂寺、 「眼のあるのと、無いのとは、これ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
た。 立戻って来て見ると、もう、あの東|亜細亜《アジア》特有の小動物はいない。
胸を撫で下ろすと共に、紙屑買ののろま清次はカンテラをつけて、またも現場のせせり掘....
「ロウモン街の自殺ホテル」より 著者:牧逸馬
肥りましたよ」 全く、何ごともなく日が経って行って、女将セレスティンは、安堵の
胸を撫で下ろす。三、四時間おきに、マダムの心尽しの、何かしら変った食べ物や飲みも....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
ら登って来る。ほんの一瞬間にこれだけの事実を慥めて、独り取り残されなかった安心の
胸を撫で下ろす。 漸く雪堤の縁に辿り着いて前面を見渡すと、如何だろう、急直なる....
「八ヶ峰の断裂 」より 著者:木暮理太郎
恐ろしい急傾斜を二十間も登ると偃松が現われ、傾斜も少しく緩くなって、やっと安心の
胸を撫で下ろすことが出来た。午後十二時五分に窓の北側を下り始めて、南側のそれも窓....