胸奥[語句情報] » 胸奥

「胸奥〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

胸奥の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
はなかった。ともすれば、官位がそれを表白することを妨げがちであったとはいえ、彼の胸奥にも多くの善心が潜んでいたのである。遠来の友が彼の書斎を出て行くや否や、彼は....
旅愁」より 著者:横光利一
うと考えたことも、今また不意に泛んで来たりした。しかし、家を一歩外に出たもので、胸奥に絶えず描きもとめているふるさと、今身を置く郷との間に心を漂わせぬものは、恐....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
の体験より表現の動機を感ずるならば共存の芸術が成立し得るはずである。多くの人々の胸奥に響くことのできる芸術はかかる種類の芸術でなければならない。トルストイはかか....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
辿る。何となれば、こちらの世界では交通は物の数でなく、離れていても、立派に相互の胸奥を伝えることができるからである。強いてこの法則を破ることは、徒らに不幸の種子....
子規居士と余」より 著者:高浜虚子
員の一人であった盲俳人|華山君のために説くという形式によって居るが、その実居士の胸奥に漸く纏った自己の俳句観を天下に宣布したものであった。 居士は二十八年の冬....
二十歳のエチュード」より 著者:原口統三
st arrive'.〕 革命の栄光は、すでにここにはなかった。しかし、僕の胸奥にも、あの高らかなマルセイエーズの合唱が波打っていなかったわけではない。僕が....
三国志」より 著者:吉川英治
うに彼は作戦に熱中する。 その情熱も、その構想も、たとえば金玉の辞句をもって、胸奥の心血を奏でようとする詩人の気持と、ほとんど相似たものが、戦にそのまま駆りた....
三国志」より 著者:吉川英治
々に引揚げの用意あってしかるべしと申しました」 と、憚りなくいった。 自分の胸奥を鏡にかけたように云いあてられて、曹操はひどく惧れた。かつ不機嫌甚だしく、 ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
激語の迸りなど、理解できるわけがない。問注の場のいきさつは見ていず、また、高氏の胸奥にある、もひとつの秘を、打明けられてもいなかった。 いや高氏自身にすら、複....