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「胸当て〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

胸当ての前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ぽきりと行くぜッ。これが江戸に名代の草香流だッ。涼むがいいやッ」 ダッと急所の胸当てを一本。ばたり、ひとりを倒しておくと、まことにどうもいいようもなくよろしい....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
客が来るとその上からコオリ山(灰白色の紬の一種)の羽織を羽織った。 麻製渋色の胸当て(金太郎式の)は夏冬共に離さなかった。 ◇ 後頭部に....
十二支考」より 著者:南方熊楠
、よほど怖ろしい顔と見える。かくてギリシア人は醜女怪の首を甲冑の前立てとし、楯や胸当てに附け、また門壁の飾りとし、魔除けとしゴルゴネイオン(ゴルゴン頭)と称えた....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
「善良な者にならなければいけません。」 「そう、善良な者になることです。利己心の胸当てを取り去り、よく呼吸し、人生を、光明を、自分の見すぼらしい仕事を、自分が根....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
の団体を一つこしらえる意向があるとさえ言われていた。 町と階級と団体との三重の胸当ての下に、人の魂は縛られていた。隠れたる抑制のために性格は圧迫されていた。多....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
、赤と緑の格子縞《こうしじま》の木綿の前掛けを青いひもで帯の所にゆわえ、同じ布の胸当てを上の両端で二本の留め針でとめ、足にはマルセイユの女のように大きな靴と黄い....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
か?」 けれども、イギリス軍の方がいっそう悩んでいた。鉄の鎧《よろい》と鋼鉄の胸当てとをつけたその偉大な騎兵隊の狂猛な圧力は、歩兵を押しつぶした。軍旗のまわり....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
さってる。それに、からいばりをして反《そ》っくり返り、女の児のように腹帯をしめ、胸当ての下にコルセットをつけることなんか、ばかばかしさの上塗りだ。本当の男子は、....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
分け前を求め、自分もまた婚礼をしようとするからだ。皆よく食ったし、また食卓では、胸当てをはずして適宜にえりを開いてる美人と隣合ってすわったものだ。皆大きく口をあ....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
ら引きはがされたコン吉は、何を思ったか上衣《うわぎ》の下に剣術《エスクラム》の|胸当て《ブラストロン》のごとき、和製の真綿のチョッキを着込み、腹と腰に花模様の華....
殺意(ストリップショウ)」より 著者:三好十郎
、黒い紗の、前を割ったオダリスク風のスカート。紗の黒と、伸びの良いからだの白と、胸当ての銀。 あちこちで拍手。 ダンサア立つ。 その立ちかたが、およそ、そういう....
古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
る。その口には牙や歯が刻んである。それがまたいかにも堅そうな印象を与える。肩から胸当てを釣っている※具は、現今使っているものと少しも違わない。胸から腹へかけては....
日本の伝説」より 著者:柳田国男
両方の手で顎をささえ、鬼見たようなこわい顔をしてにらんでいましたが、いつも桃色の胸当てをしていたのは、治ったお礼に人が進上したものと思われます。子供たちは、これ....