胸板[語句情報] »
胸板
「胸板〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
胸板の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「空中墳墓」より 著者:海野十三
、一方が仆れた。と思う間もなく正面から大きい身体がぶつかって来て私はもうすこしで
胸板をうちこわされるところであった。敵だ! 不運にも私の背後から駈け出して来た....
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
ら射ちこまれ、例の日本髪の婦人と僕との間をすりぬけて、正面に居た一宮かおるさんの
胸板を貫いたのです。シュッという音は、銃丸が僕の右の耳を掠めるときに聞こえたんだ....
「長篠合戦」より 著者:菊池寛
しかし手負の者も、三ヶ所以上負わなければ退かせない。昌景自身冑の吹返は打砕かれ、
胸板、弦走の辺を初めとして総て弾疵十七ヶ所に達したと伝えるから、その奮戦の程が察....
「大阪夏之陣」より 著者:菊池寛
は日本中の評判になった事が分る。 基次自ら先頭に立ち兵を収めんとしたが、銃丸に
胸板を貫かれ、従兵|金方某之を肩にせんとするも体躯肥肝、基次また去るを欲せず命じ....
「小田原陣」より 著者:菊池寛
すべく、精鋭をすぐって、信雄と氏郷の陣を夜襲した。蒲生氏郷自ら長槍を揮って戦い、
胸板の下に三四ヶ所|鎗疵を受け、十文字の鎗の柄も五ヶ所迄斬込まれ、有名な鯰尾の兜....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
前を大きな鳥と見立て、黐棹槍の高坂流、翼を突き通してくれべえかな! それ行くぞよ
胸板だぞ! 今度は腹だ土手っ腹だ! アリャアリャアリャアリャ大鳥大鳥!」 喚き....
「四日間」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
男、平生なら持合せの黒い拳固一撃でツイ埒が明きそうな小男が飛で来て、銃劒|翳して
胸板へグサと。 何の罪も咎も無いではないか? おれも亦同じ事。殺しはしたけれ....
「不沈軍艦の見本」より 著者:海野十三
いか。まだあれは見えないか」 大統領は、せきこんで訊く。 シモンは、しきりに
胸板を拳で叩いていたが、やや鎮まったところで、やっと声を出した。 「ああ大統領閣....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
入れるほど、強く押しかえされる。顔がおしつぶされて、呼吸をするのが苦しくなるし、
胸板が今にも折れそうだ。脚は膝から下がよく動くが、それから上は塀につきあたってい....
「怪塔王」より 著者:海野十三
、自分がピストルを敵にむけてどんと撃ったとする。するとあたりまえなら、弾丸は敵の
胸板を撃ちぬくはずであるが、このとき、もし敵があべこべ砲をもっていたとすると、そ....
「鎮西八郎」より 著者:楠山正雄
矢をつがえて敵の先手に向かって射かけますと、この矢が前に立って進んで来た伊藤六の
胸板をみごとに射ぬいて、つきぬけた矢が後ろにいた伊藤五の鎧の袖に立ちました。 ....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
種剛強の人物らしく、太い眉に釣り上った眼、むっと結んだ厚手の唇、鉄のように張った
胸板など、堂々とした風采ではあったが、碩寿翁にかかっては及ぶべくもないのか、たじ....
「弓道中祖伝」より 著者:国枝史郎
た。 (いよいよ此奴を!)と日置正次、引きしぼり保った十三|束三伏、柳葉の箭先に
胸板を狙い、やや間近過ぎると思いながらも、兵ふっとばかり切って放した。 狙いあ....
「J・D・カーの密室犯罪の研究」より 著者:井上良夫
かけられた銃の雷管に焦点があたって遂に発射させる。ためにベッドに臥していた主人の
胸板が射抜かれてしまうのである。 (七)、前に挙げた(五)と全く逆の効果を狙った....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
た、およそ小さな鹿ほどはあった一羽の軍鶏。 名を蔵人蔵人といって、酒屋の御用の
胸板を仰反らせ、豆腐屋の遁腰を怯したのが、焼ける前から宵啼という忌わしいことをし....