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胸痛
「胸痛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
胸痛の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「列車」より 著者:太宰治
、都合九つの箱に、ざっと二百名からの旅客と十万を越える通信とそれにまつわる幾多の
胸痛む物語とを載せ、雨の日も風の日も午後の二時半になれば、ピストンをはためかせて....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
中学校へやらせてくれと条件をつけた。これは吝嗇漢《けちんぼ》の安二郎にはちくちく
胸痛む条件だったが、けれどもお君の肩は余りにも柔かそうにむっちり肉づいていた。 ....
「思い出の記」より 著者:小泉節子
た時には、自分は年を取ったからこの子の行先を見てやる事がむずかしい。『なんぼ私の
胸痛い』と申しまして、喜ぶよりも気の毒だと云って悲しむ方が多ございました。 私....
「わが町」より 著者:織田作之助
えていた。ふと振り向いたその眼が赤く、しばたたき、煙のせいばかりでないとおたかは
胸痛く見たが、どういうわけかおたかの声は、 「えらい煙たいやないか」 と、叱り....
「旅愁」より 著者:横光利一
た彼は旅への郷愁をつよく覚え、身にせまりよって来る空や水の、拡り流れてゆくさまを
胸痛く惜しんで眠りがたかった。
次の日の朝眼を醒すともう関門海峡にかかっていた....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
何と悟るべき者とも知らず、世のあわれ今宵覚えて屋の角に鳴る山風寒さ一段身に染み、
胸痛きまでの悲しさ我事のように鼻詰らせながら亭主に礼|云いておのが部屋に戻れば、....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
った。」 小親が顔の色沈みたり。 「しかし、貢さん善いことだとは思うまいね。」
胸痛かりし。われは答にためらいたり。 「善いことだとは思うまいね、貢さん。」 ....
「学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
《い》をすすりたるがごとく、黙して誉《ほ》められて笑いて損をしたるがごとく、終歳
胸痛を患《うれ》うるがごとく、生涯父母の喪にいるがごとくなるもまたはなはだ厭うべ....
「清心庵」より 著者:泉鏡花
から、なかがいいお朋達だろうよ。」 かくいいし間にいろいろのことこそ思いたれ。
胸痛くなりたれば俯向きぬ。女が傍に在るも予はうるさくなりたり。 「だから、もう他....
「婚期はずれ」より 著者:織田作之助
えていた。ふと振り向いたその眼が赤く、しばたき、煙のせいばかりでないと、おたかは
胸痛く見たが、どういうわけか、おたかの声は、えらい煙たいやないかと、叱りつけるよ....